暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
19話
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ィを突破してデータの海を彷徨っていた。

 ―――月乃宮 源三が開発した一部の鬼神のデータが見つからない……? 削除したってこと?

 IS1機を開発するためには膨大なデータが要求される。故に小さなデータ1つとっても開発には欠かせないというケースが多く、管理は厳重を極める。重要なデータになればなるほどそのセキュリティは厚みを増す。

 ―――基本データや稼働データ、武装データ、管理や運用に影響が出ない最低限のデータは残っているけど、データが『削除』された形跡がある以上、そこには必ず何かがあった……。

 研究所全体で管理しているデータを漁っている途中で楯無はいくつかのデータに穴があることに気づいた。さらに調べていくと削除されていることが発覚。

 どういうことかは分からないが他者から見られるのを避けたかった、という線が楯無の中では濃厚だった。同時に、それだけではないということを楯無は気づいた。

 ―――源三氏は一体何を隠そうとしたの? 鬼神のこともそうだけど、鬼一くんの両親の事故に関するデータも削除や改竄が施されている。

 鬼神だけならまだ理解できた。鬼神は専用機、そのデータを奪おうとする裏組織だっているだろう。バックアップはどこか人目につかない所にとるから、研究所のサーバから削除した。賢いとは言い難いが理解は出来る。

 だが人が無くなったその時の、当時の情報を改竄する理由は存在しない。

 ―――……死亡原因は高所から打ち付けられたことが原因らしいけど……。果たして本当にそうなのかしら? だったら監視カメラやセキュリティデータを改竄する必要はないはず……。仮に外部からの犯行だとしても、それこそ改竄する理由が無くなる。

 例えば鬼一の両親が自殺ならばそのままでも問題はない。鬼一が見たがるとも思えないし他者も見ようとはしないだろう。両親のいざこざから、とかなら尚更鬼一には伏せようとするだろう。鬼一の中では仲の良い両親なのだから。

 ―――少なくともそこには源三氏にとって何らかの不都合があったから、っていうのが普通なんだけど……。

 月乃宮 源三が鬼一の両親を殺害、というのも考えたがしっくり来ない。源三と鬼一の両親は家族のような仲だったのだ。かといってIS研究者として2人の優秀さに嫉妬した、というのも違う。鬼一の両親は研究者として優秀だったが、源三はそれを上回る研究者なのだ。彼が発表したISに関わる論文の数、質共に一線を画している。

 ―――事故現場には鬼一くんもいたらしいけど、調書では「気を失って何も覚えていない」ということで処理されている。両親の死体を見たそのショックで気絶して何も覚えていない、って考えればそこまで不自然じゃないと言えば不自然じゃないんだけど……。

 源三は現場から遠い、
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