暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
19話
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「……え?」

「何よ、その意外そうな顔は? あんたは千冬さんと同じものを使えることを喜んでいる部分もあるんだろうけど、冷静に考えて1歩間違えたら人を殺す代物なのは変わらないわ。むしろ、千冬さんの技量だったからあれは成立していた部分が多いんじゃないかした」

 ISという機械の歴史もそうが、競技としてのISの歴史は非常に短い。歴史が短いということはルールなどがまだ洗練されていないということも表す。鈴からすれば零落白夜は禁止ものの代物だった。少なくとも競技、スポーツで使われていいものではない。

「……ある意味では運が良かったかもしれないわ。下手したら鬼一だってアレで死んでいた可能性もあったんだから」

 一夏と鬼一の戦いを思い出しながら鈴は静かに呟く。どこか安心している響きもあった。

「ちょ、ちょっと待ってくれ! 白式は……!」

「千冬さんがぶっ飛んでるから分かりにくくなっているけど、『零落白夜』は間違いなく競技用のISが使っていい代物ではないわね。ハッキリいって、最悪人を殺す『兵器』よ。よくアンタが使うのが許可下りたわね」

「……!」

 鈴の言葉に一夏は言葉を無くす。本人にその意識がなかったのは間違いないようだった。

「いっそのこと白式に乗らないという選択肢もあるんじゃないかしら? 馬鹿にしているわけじゃないけど、あんたと千冬さんは違うんだから殺人の可能性のある武装を使いこなせる保証もないわけでしょ」

 千冬の卓越した技術があったからこそ零落白夜は成り立っている。そう鈴は一夏に教える。同時に今の一夏の技術では危険だと暗に言っていた。

「……なんとも言えないけど、今私から言えるのは『零落白夜』はあんたの嫌う『犠牲』を出す可能性が非常に高いわよ」

 本人にその気はなくても、事が起こってからでは遅いのだ。鈴はそれを未然を防ごうともしていた。

「理由としては十分なんだから、通常の火気管制から外れるから操作はややこしいことになるけど雪片弐型は格納して他のブレードを使えば?」

「あ、ああ。少し、考えさせてくれ」

「あらそ。少なくともクラス対抗戦までには決めなさい。出来ることなら私だって使って欲しくないわね。それで? 結局、今日は練習するの?」

「……いや、今日はいい」

「……それじゃ、辛気臭い話はここまで! じゃあ、一夏? 私は着替えてくるから一緒にご飯でも食べに行かない?」

 それを断る理由は一夏になかった。

―――――――――

 鈴と一夏がアリーナで激闘を繰り広げている頃、楯無は生徒会室で1人パソコンを操作していた。
 千冬と話してから様々な疑問が浮上した。その疑問を解き明かすために楯無は今、鬼一が駆る鬼神の開発元である月乃宮研究所のセキュリテ
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