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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第99話
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………これ以上はアテには出来ません。……そういえば、気になっていたんですがセティ達はまだ起きていないのですか?」

ダドリーの話を聞いたロイドは溜息を吐いた後セルゲイに尋ね

「そっちも間の悪いことにお前達が出発してから1時間後ぐらいにあのユイドラ領主ウィルフレド・ディオンが妻達と共に支援課(ウチ)に来た後、セティ達とエルファティシアに留学中やエルファティシア自身の事を聞きたいからと、4人を連れてどこかに行っちまった。……まぁ、今日中に帰すつもりだと言っていたから、そろそろ帰って来る頃だと思うが………」

「そうですか………」

「………リウイ陛下達の言う通り、ウィルさん達も来ていたんですね……」

セルゲイの答えを聞いて溜息を吐き、ティオは静かに呟き

「全く………この非常時にメンフィルの皇族や武将がほぼ勢ぞろいしてクロスベルに滞在しているだけでなく、あのユイドラ領主達すらも滞在しているとは………!ただでさえ今のクロスベルは非常事態だというのに、そこに他国の皇族達がプライベートでクロスベルを訪問だと………!?一体何を考えている、”英雄王”達は!」

「おまけにガイの元婚約者が今では”英雄王”の側室の一人だとはな………クク、世の中何が起こるかわからんな。」

ダドリーは溜息を吐いた後怒りの表情で叫び、セルゲイは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべた。

「そういや、お嬢。病院であの秘書野郎が”剣皇”に殺気を向けられた時、”リウイお義兄様”って言ってたよな?ありゃ、一体どういう事だ??」

その時、ある事を思い出したランディがエリィに尋ね

「………………フウ……………もう誤魔化せないわね…………あの時私が”リウイお義兄様”って言ったのは気が動転して義理の兄となったリウイ陛下の普段の呼び方でつい呼んでしまったのよ………」

尋ねられたエリィは疲れた表情で溜息を吐いた後説明し

「……ハア?」

「へ………」

「………………」

「………………」

エリィの説明を聞いたランディとロイドは呆け、ダドリーは固まり、セルゲイは咥えていた煙草を落として口を開けて黙り込みんだ。



「「えええええええええええええっ!?」」

「何だとっ!?」

「義理の兄………という事はお前の姉があの”英雄王”の側室にでもなったのか?」

そしてロイドとランディ、ダドリーは大声で叫び、セルゲイは考え込んだ後尋ねた。

「いえ…………お姉様はリウイお義兄様の”正室”としてメンフィル皇家の一員となっています。」

「正室!?エリィ、まさか君のお姉さんは………!」

「病院で会ったあの”英雄王”と一緒にいた”聖皇妃”かよ!?」

エリィの話を聞いたロイドとランディは驚いて尋ねた。


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