第98話
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」
「………そうですね………あの秘書さんの予告ではまだ何かあるみたいですし………」
警備隊の行動を病棟の屋上で見守っていたランディは安堵の溜息を吐き、エリィの呟いた言葉にティオは頷いた。
「ああ、副司令と話したら急いでクロスベル市に戻ろう。」
「フフ………どうやらここまでの様だな。」
そしてロイドがエリィ達の言葉に答えたその時、銀が静かな笑みを浮かべて呟いた。
「”銀”………行くのか?」
「クク、これ以上付き合う義理はあるまい。ツァオへの報告は十分だし、私は私で守るべきものがある。お前達と同じようにな。」
「え………」
「あなた一体………」
(………なるほど。イリアね………)
(あっはははははっ!こりゃ傑作だ!暗殺者の守るべき対象がよりにもよって光の下で育った人間とはね!)
銀の話を聞いたロイドとエリィは呆け、ルファディエルは納得した様子で呟き、エルンストは陽気に笑っていた。
「―――”銀”。”黒月”にセシルやエリィの事を報告するかはお前の勝手だが………これだけは覚えておけ。もしお前達が我等マーシルン家の一員であるセシル達に危害を加えるような事があれば、メンフィルの全戦力を持ってお前や”黒月”どころかカルバードごと滅してやるとな。」
「リウイ陛下………」
「……………………」
そして覇気を纏ったリウイの銀への警告を聞いたロイドは驚き、エリィは複雑そうな表情をして黙っていた。
「フフ………いくらツァオとて貴方達を敵に回すような愚かな真似はしないだろう。……………今宵は会う事はあるまい。だが、夜はまだ長い………くれぐれも気をつけるがいい。」
一方リウイの警告を聞いた銀は静かな笑みを浮かべて答えた後、ロイド達に背を向けて警告し
「ああ………ありがとう!」
「ま、一応礼を言っとくぜ。」
「……お疲れ様でした。」
「フ………さらばだ。」
ロイド達の労いの言葉を背に受けた後、人間離れした動きで病院から去って行った。するとその時、エニグマが鳴りはじめた。
「え…………」
「今度は一体誰だ?」
エニグマの音に気付いたロイドは驚いてエニグマを見つめ、ランディは真剣な表情で呟いたが
「いや………俺のエニグマじゃないよ。」
「ハア??」
「じゃあ一体誰の……」
「少なくとも私達のじゃないし………」
ロイドの答えを聞いて首を傾げ、ティオは不思議そうな表情をし、エリィはリウイ達に視線を向けた。するとその時、リウイがエニグマで通信を開始した。
「―――こちら、リウイ・マーシルン。」
「俺だ、セリカだ。」
「………一体何の用だ。」
「エステルからの伝言だ。飛竜に乗った護衛
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