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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第96話
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「私も見かけていないな………」

イリーナの質問を聞いた男性達の教授達はそれぞれ首を傾げていたが

「あれれ、あの魔獣達だったら変な人が連れていたような………黒い服じゃなかったからマフィアの人には見えませんでしたけど。」

女性の教授は不思議そうな表情で意外な事を答えた。

「それって……」

「熊みたいな大男とか、ハゲた小太りの人ですか?」

女性の言葉を聞いたエリィは驚き、ティオは尋ねた。

「いえいえ。何だか普通の人でしたけど。エレベーターで4階の方に上がって行っちゃいました。」

「4階………教授達の研究室のあるフロアですか。」

「な、何者なのかしら………」

「ええ………一体どうしてこんな事をしたんでしょうか………」

女性の話を聞いたロイドとエリィは真剣な表情で呟き、ティアは不安そうな表情をした。

「ふむ………中を調べるのならくれぐれも気をつけるがいい。」

「私達は、病棟の空き部屋にひとまず避難していよう。」

「何か困ったことがあればいつでも来て下さいねぇ。」

そして教授達は病棟の方に向かって去って行った。

「魔獣や悪魔を率いた謎の男か………お前達、心当たりはあるか?」

教授達が去った後、銀はロイド達に尋ね

「いや………現時点ではさっぱりだ。どうやらヨアヒム先生とは別人みたいだけど………」

尋ねられたロイドは首を横に振って答えた後考え込んだ。

「何者かは知らねぇが………とッ捕まえる必要があるな。何とか4階に上がってみようぜ。」

「ああ………!」

その後ロイド達は探索してエレベーターの解除キーを見つけ、エレベーターを動かして4階に上がり、さまざまな部屋を探索していて、ある部屋―――ヨアヒムがいた部屋に入ると聞き覚えのある青年の声が聞こえた。



「クク、存外早かったものだ。」

声を聞いたロイド達が驚いて声がした方向を見つめるとそこには

「あなたは………!」

「ア、アーネストさん!?」

なんと市長暗殺未遂の犯人、アーネストが窓の外を見つめ

「…………アーネスト………確かその名前は………!」

「………マクダエル市長を暗殺しようとした元秘書か。」

「確か逮捕されたと聞いていましたが………」

アーネストの名前を聞いたイリーナとリウイは表情を厳しくし、エクリアは真剣な表情でアーネストを睨んでいた。そしてアーネストは振り向いて自分に近づいて来るロイド達を見つめ

「やあ、エリィ……2ヵ月ぶりになるかな?まだ宵の口だが、月の綺麗な晩じゃないか。」

不敵な笑みを浮かべてエリィを見つめた。

「アーネストさん………その瞳の色は………!?」

(もはや人の皮を被った”悪魔”に成り
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