第96話
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それを見たランディは驚き、エリィは呟いた。
「馬鹿者、何を外しておるか!まったくこれだから無能な外科医師はっ………!」
「そういうアンタこそ思いっきり外しただろうが!これだから内科医師は口先ばかりで使えんのだ!」
一方男性達の罵り合う会話が聞こえ
「あのぉ………先生方。なんか魔獣じゃなかったみたいですけど。」
さらに男性達の会話をいさめるかのように女性が男性達に話しかける声が聞こえた。そして女性の話を聞いた男性達は女性と共に物陰から現れた。
「おお、君達は………!?」
「たしかクロスベル警察の……!」
男性―――ウルスラ病院の教授達はロイド達を見て驚いたり明るい表情をした。
「………特務支援課の者です。皆さん、ご無事みたいですね。」
「やれやれ………まさか薬品を投げられるとは思いもしなかったぜ。」
「今の薬………酸化液ですよね?」
教授達に話しかけられたロイドとランディは苦笑し、ペテレーネは小さな爆発によって煙を上げている地面の部分を見て、苦笑しながら尋ね
「す、すまん……実験用の酸化液なんだが。」
「た、多少刺激は強いが毒性はないから安心してくれ。」
3人の言葉を聞いた教授達は謝ったり、申し訳なさそうな表情をした。
「まったくお二人とも。軽はずみはいけませんよ〜。」
その時の女性の教授が呑気そうな様子で呟き
「『来ました』と言ったのはアーシェラ君じゃないか!?」
「酸化液のビンを見つけたのも君だったと思うが……?」
女性の教授の言葉を聞いた男性の教授達は顔に青筋を立てて、女性の教授を睨み
「あれれ、そうでしたっけ?」
睨まれた女性は呑気そうに呟き、ロイド達を脱力させた。
「と、とにかく内部はまだ魔獣が徘徊しています。」
「護衛しますのでいったんここから出ましょう。」
その後ロイド達は教授達を研究棟の外まで護衛して研究棟の状況を聞いた。
「―――では、ヨアヒム先生は全く見かけていないんですね?」
状況を聞いたロイドは真剣な表情で尋ねた。
「うむ、例の黒服たちが研究棟に乗り込んできた時にはすでに見かけなかったな………」
「てっきり夜釣りにでも行ったのかと思ったが………」
「………そうですか。」
「残念ですが……現時点で相当疑わしいですね。」
「そうね………」
教授達の話を聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐き、ティオは静かに呟き、エリィは静かに頷いた。
「そういえば、研究棟内の魔獣や悪魔達はどこから現れたのですか?………ルバーチェのマフィア達が軍用犬と共に連れて来たのでしょうか?」
「いや、どこからともなく現れたという感じだったが………」
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