第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#4
DETERMINATION 〜決意〜
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…!」
陳腐な脅し文句に、二人は鼻で笑って返す。
「なるほどな。あのフザけた玩具の山はその 『ご主人様』 とやらのモンか?
だがもう二度と遊べないようにたたっ壊してやるぜ……」
そう言って承太郎は、逆水平に構えた先鋭な指先で彼女を差す。
「ご主人様の 「顔面」 の方をな……」
「でも、今はとりあえず、“おまえの” 断末魔を先に聞かせて」
そう言ってシャナは、片手で大刀を大きく振りかぶった。
「ぎゃああぁッッ!!」
美女の甲高い、引き絞るような絶叫が紅い空間に響き渡った。
微塵の躊躇もない、左の肩口から腹にかけての袈裟斬り。
斬り裂かれて仰け反って倒れる女。
その舞い散る火花の中から、小さな「人形」が飛び出した。
「クッ!」
悔しそうに歯噛みするその人形は、茶色い毛糸の髪、黒いボタンの目、
赤い糸で縫われた口という簡素なモノ。
靴も指もない肌色フェルトの脚が路面を擦って、低く後ろに飛び去る。
コレを追おうとしたシャナと承太郎は、しかし、
胸元のアラストールから呼び声を受ける。
「後ろだ!」
背後で埋もれていた半分になった首玉が再び二人を狙って、
瓦礫の奥から砲弾のように飛び出してきた。
「オッッッッッラァァァァァ―――――――――――ッッ!!」
「ッッッはあぁぁぁぁぁ―――――――――――――ッッ!!」
一閃。
神速のスタンド右ストレートと、戦慄の大太刀の直突きとが共に
半球状の首玉を貫く。
拳と剣とに串刺しにされた二つの首玉は、
しばらく生き物のように蠢いていたがやがて動かなくなり
大量の白い火の粉となって爆ぜ、消えた。
だがこの間に人形も何処かへと消え去っていた。
不意な静けさが、人々の小さな残り火と破壊の傷跡を残す街路に訪れる。
それをシャナの声が破った。
「あの “燐子” の言い方からすると、案外大きいのが後ろにいそうね」
それに答えるアラストール。
「うむ。 久々に『王』を討滅できるやも知れぬ」
「うん。それにしても、」
「……」
空条 承太郎は黙って二人のやりとりを聞いていた。
訊きたい事は山ほどあったが状況から判断して今、
その疑問を口にしても自分が満足するような解答は得られないだろう。
二人 (?) の会話が一段落した後、アラストール辺りに問い質すのが
合理的なやり方だと思った。
「……おい? おまえ?」
上げた視界の前に、シャナがいた。
“本当に目の前にいる”
その身体は宙に浮いていた。
灼熱の光を灯す瞳と髪が急に迫り承太郎の瞳に焼き付く。
「アン? 何か用か?」
今更、特に驚く事でもないので承太郎は普通に返す。
「気が進まないけど……」
シャナは小さく呟く。
「ア
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