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衛宮士郎の新たなる道
第3話 ドイツより
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 「男にそこまで執心するとは珍しいな」
 「ええ、それは自覚しています。しかしあの時受けた衝撃は忘れられるモノではありません」

 その時の事を思い出したのか、マルギッテは不敵な笑みを作った。
 そのマルギッテをフィーネは気に掛ける。

 「確認を取るが、まさかその時の件を蒸し返す訳では無いのだろうな?」
 「当然です。あの時は私欲を抑えきれなかった私に非があると自覚しています。何より中将が彼、衛宮士郎をサムライと認めて気に入っているのです。そこに私の是非が入る余地など有りません。――――まさか信じていなかったんですか?」
 「少しな。なにせマルは、ご両親や上官やクリスお嬢様以外には高圧的だからな。心配にもなる」

 むぅと、マルギッテが言い返せずに唸る。

 「ともあれ自覚しているのなら、ある程度の自制と自戒もして欲しいがな」
 「・・・・・・・・・・・・善処します」

 何とも言えない顔のままでのマルギッテの返答に、何時もの事と理解しながらも心の底で溜息をつく。

 「ではな、マル。私も仕事があるから明後日は見送れないと思うが・・・」
 「子供じゃなければ、死地に向かう訳でもない。ですから一々見送りなど不要です」
 「そうか。ではな、マル。おやすみ」

 そう、フィーネはマルギッテの返事を聞く事なく部屋から退出したが、態とすべて閉めずにおいた僅かな隙間から見たのだ。
 先程の不敵な笑みなど可愛い位に口先を吊り上げて獰猛に嗤う様を。
 口元を読んで、また溜息をつく。

 『待っていなさい、衛宮士郎。お前は私の獲物だ・・・!』


 −Interlude−


 フィーネはこれから就寝――――するのではなく、今現在猟犬部隊の自分とマルギッテ以外の主要メンバー4人が確実に集まっているだろう部屋に向かった。
 その部屋の前に着き、ノックをしてから入室すると、重装な鎧が憤っていた。

 「おっのれ〜!男風情がっ!隊長を足蹴にするとは・・・・・・その傲慢さいずれ思い知らせてくれるわ!!」
 「落ち着いてテル〜。気持ちは・・・・・分からないけど〜。興奮し過ぎると、中の温度がめっちゃ高くなっちゃうよ〜?」
 「そうだぞテル。こないだそれで熱中症になりかけたじゃないか。コジマはそれよく覚えてるぞ〜」

 重装な鎧に身を包んだ?テルマ・ミュラーに、女性にしては確実に長身すぎる背丈を持つジークルーン・コールシュライバーと逆に小さすぎるコジマ・ロルバッハの2人が協力して落ち着かせていた。
 しかしその興奮を逆に煽る者も居る。

 「だがテルの言いたい事も解るな〜。日本人は確か礼節と謙虚さを大切にする人種だろ?なのにソイツ、中将やマルに対する目上の敬いとかまるで成って無いじゃないか・・・!」

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