第3話 ドイツより
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ならない。
召喚された日の夜中に、こんな話になったのだ。
『日中は余たちをこの屋敷に残していくだと!正気かマスター!?』
通常であれ異常であれ、聖杯戦争が始まったと言うのならサーヴァントとマスターは共に行動するのが基本。
それにも拘らず置いて行くとは如何いう了見なのだと、シーマは士郎に食い掛ったのだ。
だがそれを士郎が魔術師としてでは無く、一般人視点としての正論を言う。
『霊体化できないだろ?だから付いて来させる訳にはいかないぞ?』
『ならば余をそのガッコウとやらに通えるように手配してくれ。それなら問題あるまい!』
この主張に士郎はシーマに現代の知識が無いと通えないと反対するが、ならば勉強して知識を身に着けば良かろう?と、それまで他の者達と話していたエジソンの提案に乗る事になったのだ。
だから今、シーマは凄まじい勢いで知識を取り込み続けている。
急きょの事とは言え、このまま行けば約束通り明後日の月曜からシーマも川神学園に通えるようになるだろう。
だが当人は知らなかった。
編入試験の結果次第だが、予定ではシーマが入るクラスは3ーSでは無く、2ーSだと言う事に。
そんなシーマをよそにエジソンはちょうど歴史の勉強をしていた。
床には現代社会の本が滅茶苦茶に散乱しており、特にひどい所に自分の死後の誹謗中傷の補足が書かれていたり、電気博士の発明による世界の貢献度の重要性などもあった。
なるほど。これは確かにエジソンからすれば、不愉快極まりないモノだろう。
そんな苛立たしく不機嫌極まりない発明王は、気分を変える為にある外国の時事を学んでいた。
そこはこの冬木市の隣の川神市の姉妹都市である場所だった。
そこは――――。
−Interlude−
此処はドイツ連邦共和国のハンザ都市リューベック。
その都市の一角に、川神に留学中のクリスの家が有った。
客観的に言わせてもらうなら、最早城と言っても過言では無い。
その城の一室に、城主が指揮する直属部隊である猟犬部隊の隊長マルギッテ・エーベルバッハと、副隊長であるフィーネ・ベルクマンの姿が有った。
「すまないフィーネ。書類整理を手伝ってもらって」
「構わん。そもそもマルは明後日からクリスお嬢様の護衛任務だろう。ならば猟犬部隊の補佐は副隊長である私の務め、気にする理由など何所にもない」
「確かにそうだが・・・・・・クリスお嬢様の護衛だけならばここまで意気高揚していない」
「・・・・・・・・・」
マルギッテの言葉にフィーネが思い当る節は一つしかない。
クリスお嬢様が日本で作ったご友人達との小旅行への視察。
その時に少しばかりやりあった男の事だろうという位だった。
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