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俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
吸血鬼ってこんなん?
第二十八話 同じようで違うこと
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いた手を動かしてきた。それが幾分心地良くて、返事を忘れていると、

「だからね、心配しなくてもいいのよ。魔理沙のことだから、今日はちょっと用事が重なって直ぐ帰っちゃったけど、明日にはケロッとここに遊びに来るわ」

そう言って、霊夢は腰を上げた。

「さ、私の分まで霊と遊んであげてね」

にこにこと気分良さそうに家の奥へと消えて行った霊夢。そして、入れ替わるように博麗ちゃんが戻ってくる。
俺は家の主じゃない為、気が利くなんて失礼なことは言えないが、俺の分まで飲み物を持ってきてくれる良い子だ。

「はい、どうぞ」

ウーロン茶だろうか、黒めな飲み物の入った、冷たいグラスを俺に渡してくる。丁度俺も喉が渇いていたところなので、お先にと、ぐいっと一気に口に含み??

「殺す気か!?」

「やーい引っかかった引っかかった〜♪」

そうだった、優しくも捻くれた子だった。こいつは決して素直な子ではなかった! くそ...やられた。ちょっと黒めな飲み物だと判断したときにその可能性も考えておけよ。
醤油が入っているという可能性をっ!

「元気づける為ですよ。八雲さん」

捻くれ者でもやはり優しい子だった。あとでジュースでも奢ってやろう。

「ちょろいっすね、八雲さん」

ダメだったこいつ。しかも俺の心情を読みやがった。奢るジュースはめんつゆで決定だな。

「まぁ、いいや」

「え、醤油飲むんですか?」

「いやちげぇよ! 流石にねぇよ!」

「よかった、やっと元気にツッコミを入れてくれた」

そう言って、今度はちゃんとした、可愛らしい微笑みを見せて後ろからもう一つのグラスを手にし、俺に渡してきた。

「私は向こうで飲んだので、どうぞ」

「お、おう。ありがとう」

「何照れてるんですか気持ち悪い」

「台無しダァ...」

くすくすっと手で口を隠して笑う博麗ちゃんを見ながら本物のウーロン茶で喉を潤した。そして霊夢が言っていたことを思い出し、グラスの中身を空にしてから話をふった。

「じゃあ今日はそこの森でも探索するか!」

俺がそう言うと、博麗ちゃんは表情をパァっと明るくし、

「はいっ!」

と大きな返事をした。
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