発現
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手を繋ぎながら固まっている俺たちをみて、周りはいらぬ妄想を
膨らませているようだ。
あせって手を離す。
そして何事もなかったように俺たちは歩き出す。
「それにしても、なんだったんだ?あんた何か能力を使ってたのか?」
会話を戻し質問を俺に投げる上条。
「いや、俺レベル0もレベル0。なんにも能力は使えないぞ。」
「そうか。じゃあ気のせい――」
「止まれ、上条!!」
俺が叫んですぐ、眼の前をかなりの勢いで俺たちの前を横切っていった。
「あ、ありがとう・・・。でもなんで分かったんだ?」
「いや、なんだろうか・・・。なんだかその情報が文字列で頭の中に浮かんだ」
「え?それって能力か?」
「いや、俺は能力を使えないはずなんだが・・・。でも今のは確かに何かの情報を
なんとなく演算処理したな・・・」
「演算て、『なんとなく』で可能なのか・・・?」
「いや、昔からある一定の演算式はもってたんだ。それを使ったらなんとなく文字に
なった感じかな」
「じゃあやっぱり能力なんじゃねぇのか?」
「え、俺能力発現した?」
「いや、俺に聞かれてわからねぇよ。そういえばアンタ名前は」
「あぁ、桐原 瞬だ」
「桐原か。うちの高校の生徒だよな。俺の担任の小萌先生に相談してやるよ」
「あのちっこい先生か。じゃあ頼むよ」
「わかった。じゃあ連絡教えてくれよ。また連絡するから」
俺は上条と連絡先を交換した。
同日18時――
あの後普通に学校に着き、授業を受けている途中に上条からメールがあった。
「18時に職員室に来るように」と。
俺は職員室のドアをノックし、そのままドアを開ける。
「失礼しまーす。」
「あぁ、桐原ちゃん。どうぞー」
ドアを開けると、幼稚園児にも見えるちっこい女性が俺においでおいでをする。
この女性が上条のクラスの担任の先生「小萌先生」だ。
「能力を知りたいのですよね?」
「そうです。ところで上条は?」
「あぁ、先に自宅でご飯を作るために帰ったのですよ。」
「そうですか。(そんなに余裕を持って仕込むものを作ってるのか。見た目によらないな。)」
「上条ちゃんからお話しを聞く限り、もしかしたら予知系の能力ではないかと
先生は思うわけです。」
「予知・・・。というと未来予知っていうあれです?」
「そうなのですよ。」
そういうと、コインを机の引き出しから取り出す。
それを手のひらの上に乗せ俺に見せてくる。
「これから先生がこのコインを左右どちらかの手に隠します。それを予め
紙に書いておいてもらって当たっているか確かめてみましょう。」
「わかりました。」
俺は集中する。
すると今朝と同じように『どこからか』情報が頭に入ってくる。
それを演算処理
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