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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#3
RED ZONE 〜封絶〜
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かし飛行距離が縮まった為、その速度と軌道の複雑さは段違いだった。 
 炎髪が火の粉を撒くのでそれが軌跡となりまるで赤い陽炎、
もしくは紅の流星が何度も何度も飛来しているようにも視える。
 異形はシャナを攻撃しようと唸りをあげてその巨腕を振り回すが、
熊が目の前で飛び回る蜂を叩き落とそうとしているようなもので、
「本体」は疎か火の粉が描く軌跡にすら触れる事が出来ない。
 しかも速度はその回転が上がるつれ更に増していった。


 ガシュッッ!!


 いきなり異形の巨大な右腕が真っ二つに切断された。
 高速で飛翔する紅い影に斬撃が混ざり出したのだ。
 間を置かず右足が両断され、大きくバランスを崩した異形が
蹌踉(よろめ)めいて路面へ倒れそうになる。
 しかし。
 異形が突っ伏す前に白銀の光が上半身を、
肩口からバッサリと斬り上げる戦形(カタチ)で斬断した。
 そして、宙を舞った異形の首に紅い影が意志を持った糸のように
巻きついて木っ端微塵に引き裂く。
 弾けたザクロのように、白い火花に包まれた大量の機械部品が路面に降り注ぐ。
 その直後。
 突如異形の左胸に、向こう側まで見渡せるような大穴が開き、
背後から刺突の構えで突貫したシャナがその中枢部である首玉を
大刀で串刺しにしたまま勢いよく飛び出してきた。
「ッッシィッッ!!」
 すぐさまに貫いた首玉を返す刀で真っ二つに斬り捨てた後、
シャナは靴を滑らせて路面に火線を描きながら派手な音を立ててブレーキングし、
いつの間にかそこにいた承太郎の目の前へ着地する。
「ヒュウッ」
 承太郎の端正な口唇が、キレのある音色を奏でた。
「……ッ!」 
 それを冷やかしと解釈した少女の鋭い眼光を承太郎は黙って受け止める。
(……このガキ、どーやら牢屋の中でヤりあった時は本来の力の半分も
出てなかったみてーだな。狭ぇ場所と今じゃ動きがまるで別人だぜ。
背丈(タッパ)の所為で一発じゃあ両断出来ねーから「速度」を「力」に換えて、
「点」じゃなく「線」の動きで斬りやがった。
しかも一番ヤワそーな部分だけを狙って……
やれやれ、スタープラチナの「眼」でも追うのに苦労したぜ)
 一瞬でそこまで分析した承太郎の洞察力もまたただならぬモノではあるが、
ともあれ承太郎は初めてシャナに「妙なガキ」以外の感想を持った。
「やるじゃあねーか。クソガキ」
 右手をズボンのポケットに突っ込んだまま、素直に称賛の言葉を贈る承太郎。
 しかしその言葉にシャナは。
「……さっきといい……いまといい……!」 
 額に青筋を浮かべ 怒りで胸元に握った右拳をブルブルと震わせた。
 そのふんぞり返った脳天にドバカ、とお仕置きの鉄槌を入れてやろうと刀身を峰に返し、
そして背
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