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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#3
RED ZONE 〜封絶〜
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々口を開けた。
「……ッ!」
 途端に、止まっていた人々が猛烈な勢いで燃え上がった。
 奇妙な事だが、熱も匂いも感じさせない、しかし異常に明るい、炎。
 そし、て。
 燃え盛る人々の炎の先端が、細い糸のようになって宙へと伸び、
怪物達の口の中へ吸い込まれていく。 
(……悪霊ッ! イヤ、ジジイの言ってやがった 『スタンド』 かッッ!?)
 フリーズしていた承太郎の思考が迫る危機に際してようやく再起動を始める。
 炎渦巻く薄白い空間の中、承太郎は一人取り残されたように立っていた。
 そんな彼の存在に、怪物が二人(?)してようやく気付いた。
 人形が首だけをぐるりと回し、傾げた。
「ン? ンンン〜? なんだい?コイツ?」
 可愛いマスコットに相応しい子供っぽい声。
 巨大なガラス玉の瞳が自分を睨んでいる。
 いつしか首玉も丸ごと向き直っていた。
 真中にぱっくりと開いた口から、若い女の声で言う。
「さあ? 御 “(ともがら)” では……ないわね」
「でも、 “封絶” の中で動いてるよ。もしかして……『ミステス』?」
「……に、限りなく近い存在(モノ)だと思うわ。
どうやら 『トーチ』 じゃないみたいだけれど。
でも、人間の「器」の中に途轍もない力が内蔵されてるのを感じる事が出来る。
久しぶりの嬉しいお土産ね。 『ご主人様』 もお喜びになられるわ」
「やったあッ! じゃあ僕達、お手柄だ!」
「首玉」が喜びに充ちてはいるが穏やかな声。
「人形」が子供っぽい開けっぴろげな歓声上げ、
そして、ズシンッ! と粗雑な大足を一歩、承太郎に向けて踏み出した。
 ゆっくりと、ゆっくりと。
 耳元まで裂けた口で、ニタリと笑いながら地響きを立ててこちらに向かってくる。
「じゃ、さっそく!」
 やがて承太郎の目の前で跪いた、巨大な人形の視界を覆うような右手が
承太郎の長身の身体を軽々と掴み、人形のように持ち上げ、
「いッッッただッッッきま―――――――す!!」 
 耳元まで裂けた口を大きく開けた。
 


 グシャアッッ!!



 重苦しい音と共に人形の口が閉じた。
 否。
 正確には、“閉じさせられた”
 突如、その剥き出しになった歯の隙間から白い蒸気が音を立てて吹き出す。
 掴まれた承太郎の身体から生えた2本の「腕」
その右拳がボクシングでいうスマッシュの角度で人形の顎に高速で撃ち込まれ、
内部に深々とメリ込んでいた。
 逃げ場の無い場所で跳弾の如く暴れ回った余波の為、
顔面に地割れのような亀裂が幾つも走る。
 同様に口の中も、相当に悲惨な事になっているだろう。
「いきなり出てきて、ナニ調子コイてやがる……? テメェ?」
 自分を「お土産」呼ばわりした相手の片割れを
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