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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第92話
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アハハ!そりゃ無理だよ、エル姉〜♪」

「そうね♪ギュランドロス様の暴走は誰にも止められないもの♪」

「今までのギュランドロスのパターンを考えると、私の予想では99,99%の確率でギュランドロスが厄介事に首を突っ込むと思います。」

青年達の背後にいる金髪の女性は疲れた表情で溜息を吐いた後大男を睨み、紫髪の娘は呑気に笑い、青髪の女性は微笑み、蒼みがかかった銀髪のルーンエルフの女性は淡々と言った。

「ルイーネ様〜!笑っていないでちゃんと見張っていて下さいよ!………それとアル!不穏な事を言わないで下さい!」

そして金髪の女性は青髪の女性とルーンエルフの女性を睨み

「はいはい♪」

「何故、私まで怒られるのでしょうか?」

睨まれた女性は微笑み、ルーンエルフの女性は首を傾げた。

「フッ………さて。まあ今日は遅いし、明日に備えて宿でも探すぞ。」

そしてその様子を見ていた青年は静かな笑みを浮かべた後大男に提案し

「おうよ!」

青年の提案に大男は頷いた後、青年達と共にクロスベル市の中に入って行った。



〜ウルスラ間道〜



その後街道を進んでいたロイド達は停車しているバスを見つけた。

「あ……!」

バスを見つけたロイドは声をあげた後、エリィ達と共に走ってバスに近づいた。

「ど、どうしてこんな場所で停車を………それに………誰も乗っていないの?」

「そうみてぇだな………ティオすけ、周囲の反応はどうだ?」

「はい………アクセス………」

ランディに尋ねられたティオは答えた後、魔導杖を掲げて周辺をサーチした。

「………ダメです。周囲10セルジュに人の反応はありません。」

「チッ……だろうと思ったぜ。どうやら魔獣に襲われたって雰囲気でも無さそうだな?」

「ああ……ちゃんと路肩に停車している。多分、運転手が自分の意志でこちらに寄せて停車したんだろう。もしくは停車せざるを得ない何らかの事態が発生したのか………このまま中も調べてみよう。」

「ええ………!」

そしてロイド達はバスの中を調べたが、バスの中は争った形跡はなく、花や見舞いの品だけが席に置かれていた。

「花や見舞いの品が座席に残っている……どうやら病院に行く途中だったみたいだな。」

「ええ………」

「ぬいぐるみ………子供の患者さんへのお見舞い品でしょうか?」

「ああ………そうだろうな。」

バスの中を調べ終わったロイドは仲間達と共にバスを出た後、どこかに連絡した。

「はい、はい……わかりました。連絡の方はお願いします。こちらはこのままウルスラ病院に向かいます。―――はい。くれぐれも気を付けます。」

連絡し終えたロイドはエニグマを仕舞った。
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