第90話
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まあな………正直、一課の水にはまったく合わない男だった。強引かつ無鉄砲、独断専行ばかり目立って………私とは特にソリが合わずに、事件を巡って衝突ばかりしていたし、挙句の果てには当時警察官ではなかったルファディエルを二課の事件を手伝わせて、その件でさらに衝突していたからな。だが――――優秀な捜査官だったのは一課の誰もが認めていたし、ルファディエルの捜査官としての実力も悔しいが認めていた。もちろん私も含めてな。」
「ダドリーさん……」
「あら。貴方達に嫌われている身としては驚きね。」
ダドリーの言葉を聞いたロイドは驚き、ルファディエルは微笑んでいた。
「……ヤツが殉職した時、私達一課の人間の喪失感は予想以上のものだった。ソリは合わなかったが………どこかヤツの破天荒な行動力に期待していた所もあったんだろう。必死になって犯人を捜し、さらには本来警察官ではなかったルファディエルにまで知恵を貸して貰って捜査を続けたが結局、手掛かりは見つからず………―――すまない。お前には辛い想いをさせたな。」
ダドリーは過去を語った後、目を伏せて言った。
「よ、よしてくださいよ。単独捜査をしていた兄貴にも問題はあったみたいだし……そんな風に兄貴の死を受け止めてくれていただけで俺としては十分です。」
「そうか………―――しかしここに来て改めて容疑者が浮上したわけだ。もちろん当時からも、その可能性は疑われていたが………これでやっとお前も兄の無念を晴らすことが―――」
「いえ……今は兄貴のことはいいんです。それよりも、解決しなくてはいけない問題が山ほどある……それを片付けてから考えます。」
「ロイドさん………」
「フフ……ちゃんと私情を抑え込んでいるわね。」
「本当にもう………生真面目なんだから。」
「ま、それがコイツのコイツたる由縁だろ。」
ロイドの答えを聞いたティオとルファディエル、エリィは微笑み、ランディは笑顔で言った。
「フッ―――わかった。それでは今はお互い、やるべき事をやるとしよう。あの癪にさわるくらい破天荒で前向きだった男に負けないためにもな。」
「はい……!」
そしてダドリーの言葉にロイドは力強く頷いた。その後ロイド達はダドリーと別れて、遊撃士協会に向かった……………
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