第89話
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………それはもしかして………証券マンをなさっているこちらのご主人の事とか………?」
「そうなんですの。今朝目を覚ましたら、主人がいないんですの。ソフィアさんと2人でご近所を探してみたのですけど………」
「そ、そうですか………あの、ご主人は最近様子がおかしかったのでは……?」
「あ……そうかもしれませんの。娘はずっと心配していましたの。」
「……予想的中か。夜の闇に消えたって事は目撃者を見つけんのは難しそうだな。」
ロイドの質問に答えた女性の話を聞いたランディは目を細めてロイドに話しかけた。
「ああ、今はともかく失踪者の全員の確認を取ろう。ソフィアさんはこちらのご家族の方と面識があるみたいですね。あの………警察の方でも捜索してみますが時間がかかるかもしれません。しばらくご家族の方に付き添っていて頂けますか?」
「ええ、喜んで。主人もじきに仕事から戻るはずですし。」
「すみません。では、この場をよろしくお願いします。」
そしてロイド達は家を出た。
「ロイド!」
ロイド達が家を出ると空からルファディエルとティオが降りてきた。
「ルファ姉、ティオ。そっちはどうだった?」
「それが……」
ロイドに尋ねられたティオはルファディエルと共に服用している可能性のある者達が2人とも行方不明である事を説明し、ロイド達も尋ねた者達が2人とも行方不明である事を説明した。
「…………まさか全員、行方不明になってるなんて……」
「せっかく解毒薬を手に入れたのに、一足遅かったわね………」
互いの状況を報告し終えたエリィは溜息を吐き、ルファディエルは表情を厳しくし
「嫌な予感、的中だな………自発的に消えちまったのか、それとも拉致されちまったのか。」
「現時点では情報が少なすぎてどちらの可能性も考えられますね。」
ランディは溜息を吐いた後、考え込み、ティオは不安そうな表情で呟いた。
「……失踪した5人については氷山の一角かもしれない。クロスベル市全体ではかなりの人数が失踪している可能性が高そうだな……」
「ええ……一体どれだけの人達が消えてしまったのか………」
「どうする、ロイド?一人一人を捜すってのはさすがに難しそうだぜ?」
「ああ……こちらの手が圧倒的に不足している。こうなると上からの圧力で一課が動けないのが痛いな……」
「でしたら二課のドノバン警部に相談してみてはどうでしょう?以前、手伝った貸しもありますし。」
「いや……難しいと思う。ダドリー捜査官がわざわざ、支援課を頼ってきている以上、二課にも圧力がかかっているはずだ。」
「なるほど……確かに。」
「となると広域防犯課も状況は同じでしょうね………警官隊のマンパ
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