第89話
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た。
「『リゼロ貿易』という会社をお持ちで私も少しお付き合いがあったんですが………自宅にはいらっしゃらず、会社の方でも行方がわからないそうなんです。それで警察に届けようかと先生に相談していた所なんですが………」
「やっぱり失踪………でしょうか。」
ハロルドの話を聞いたティオは静かに呟き
「…………ハロルドさん、警察の方は少々事情があって動けないかもしれません。この件は支援課に回すという形を取っていただけますか?警察本部には折を見て話を通すことになると思います。」
ルファディエルは考え込んだ後提案した。
「わかりました………皆さんが捜査してくださるんですね?」
「ええ、少し時間がかかるかもしれませんが………イアン先生も、もし今後失踪者の相談があればセルゲイに連絡を回してもらえますか?」
「ああ………わかった、気を付けておこう。そういえばさっきから気になっていたんだが、ティオ君のその翼は一体………」
ルファディエルの言葉に頷いたイアンはティオに視線を向け
「………その。実はわたしは”闇夜の眷属”でして。あまり騒がれるのは苦手でしたので、今まで翼を隠していたんです。」
視線を向けられたティオは静かな表情で予め考えていた嘘を説明した。
「そうだったのですか………」
「フム………何か心境の変化でもあったのかね?」
ティオの話を聞いたハロルドは驚きの表情で呟き、イアンは考え込んだ後尋ね
「はい。………それではわたし達は早速捜査しようと思いますのでこれで失礼します。」
尋ねられたティオは頷いた後軽く頭を下げ、ルファディエルと共に事務所を出た。
「さてと………次はアルカンシェルね。飛んで行くわよ、ティオ。その方が時間の短縮になるし。」
「わかりました。」
事務所を出た2人はそれぞれの翼を羽ばたかせて空へと飛び立ち、歓楽街のアルカンシェルに向かって飛行して劇場の前に離陸した後、アルカンシェルの劇場に入り、受付に聞くと相談に乗って欲しいので、劇団長達がいるという客席ホールに向かった。
〜アルカンシェル〜
「おお、支援課の方々………!丁度良い所に………!」
ルファディエルとティオが劇団長達に近づくと、2人に気付いた劇団長が明るい表情をした。
「………どうかされたのですか?」
「じ、実は………ああ、これは内密にお願いするんだが………朝から、うちのアーティストの一人が行方不明なんだ。」
「「!!」」
劇団長の説明を聞いたルファディエルとティオは表情を厳しくした。
「前に少しお話ししたニコルさんなんですけど………昨日から家の方にも帰ってないそうなんです。」
「家族の方でも手分けして探しているらしいんだけど、見つ
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