終章〜クロスベルの一番長い日〜 第88話
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見つめられたティオは頷いた後静かな笑みを浮かべて言った。
「ティオちゃん………」
「………はは。お安い御用だぜ。」
「ああ……喜んでわかちあわせてもらうよ。」
「ほえ〜……」
「クク、確かにこりゃあ、オッサンの出る幕はねぇな。――――たしか午前中は薬物を使用した疑いのある市民の聞き込み、そしてガンツって鉱員にセティ達が創ったその解毒薬を呑ませて効果を確かめるんだな?」
ロイド達の様子を見たキーアは呆け、セルゲイは笑った後尋ねた。
「ええ、一課の資料も参考に改めて確認し、ガンツさんにセティ達が徹夜で創ってくれた治療薬を呑ませて効果を確かめます。それと、忙しくなりそうなので今の内に他の支援要請なども片付けておくつもりです。」
「そうですね………このタイミングを逃したら市外に出る余裕は無さそうですし。」
「それにセティちゃん達が徹夜で創ってくれた解毒薬の効果があるとわかったら、今後の服用者達の解毒に使えるしね。今は自室で休んでいるセティちゃん達の頑張りに応えてあげないと。」
セルゲイの疑問にロイド、ティオ、エリィはそれぞれ頷いた。
「しかし住宅街の証券マンにサーベルバイパーのパシリ………それにアルカンシェルの新米キャストか。」
「どれも昨日の時点で少し様子が変だった人達ね……」
そしてランディの言葉にエリィは疲れた表情で頷いた。
「時間があるならイアン先生の事務所にも行った方がいいだろう。先生から聞いた2人のうち、証券マンは一課の資料にあったのと同一人物だが………貿易会社の経営者ってのはまだマークされていないようだ。」
「そうですね……法律事務所にも行ってみます。あとは午後あたりにヨアヒム先生が成分調査の結果を連絡してくれるはずですけど………」
セルゲイの言葉にロイドが答えたその時、ロイドのエニグマが鳴りはじめ、ロイドは通信を始めた。
「はい、特務支援課、ロイド・バニングスです。」
「……ロイド君?私だ、マインツのビクセンだ。」
「ああ、町長さん。―――丁度よかった。ガンツさんの様子はどうですか?今から会いに行こうと思っているのですが。」
「そ、それが………その………ガンツのやつがまた居なくなってしまったんだ。」
「!?………詳しい話を聞かせてもらえますか?」
「あの後、夜遅くにガンツが目を覚ましたんだが………意識が朦朧としてるようでそのまま寝かせてしまったんだ。念のため私も部屋に泊まって明日の朝、君達にも話を聞いてもらうつもりだったが………朝、目を覚ましたら………」
「……なるほど。ホテルやカジノに問い合わせは?」
「い、一応したが誰も見た者はいないみたいで………ロイド君……どうしたらいいと思う?」
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