第三十一話 研修先でもその十三
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「二人で」
「阿波野君と?」
「だってこんな機会滅多にないですよ」
その白粉で真っ白になった顔でにこりと笑っての言葉です。何かその顔を見ていると本当に花魁さんみたいです。私なんかよりもずっと奇麗に見えます。
「吉原で花魁さんとのツーショットって」
「阿波野君とのツーショットよね」
「はい」
はっきりと答えられました。
「どうですか?それで」
「ううん」
阿波野君の言葉に考える顔になりました。
「そうね。たまにはね」
「ツーショットですね」
「ええ。確かに花魁さんと一緒なんて滅多にないし」
実際今頃世の中にはいないわけでして。決して阿波野君とツーショットを撮りたいわけではありません。そのことだけははっきりとしておきたいです。
「いいわよ」
「はい、じゃあこれ」
早速何処からか写真を出してきました。
「これ使って下さい」
「持って来たの?」
「そうですよ。やっぱりこういう時には写真じゃないですか」
明るく笑って私に対して言うのでした。
「ですから」
「別に持って来なくていいのに」
ちょっと本音が出てしまいました。
「そんなのは」
「いいんですか」
「私だって持って来てるわよ」
「あっ、そうなんですか」
「そうよ」
少しむっとした声で言いました。
「ほら、これ」
「あっ、本当ですね」
「まあいいわ。両方使えばいいし」
「じゃあまずは僕のカメラを使って」
「その後で私のカメラね」
「そうですね。何かプリクラみたいですね」
またまた調子に乗ってこんなことを言ってきました。
「二人でなんて」
「プリクラってね」
「ところで前から思ってたんですけれど」
「今度は何よ」
「ほら、北乃きいさんが出てたドラマ。ライフっていうの」
「あのドラマね」
私は最初ボウケンジャーでヒロインだった末永遥さんが出ておられたので実家に帰った時に観ましたけれど今ではその北乃きいちゃんや福田沙紀ちゃんも好きになりました。サイトとかも観ると余計に好きになりました。
「最終回でプリクラあるじゃないですか」
「あの場面ね」
「多分あそこで皆ここぞとばかりにたっぷりとプリクラ撮ってますよ」
そうしたことを言うのでした。
「もうかなり」
「そういえば北乃きいちゃんと福田沙紀ちゃんって実際はかなり仲よかったそうだし」
ドラマからは全く想像できませんけれど。実際はそうだったそうです。サイトでの日記で福田沙紀ちゃんが描いた北乃きいちゃんの似顔絵がかなり可愛かったりします。
「じゃあやっぱり?」
「だと思いますよ。北乃きいさんと夏目鈴さんとかね」
「何か美人のツーショットね」
別にそれは羨ましくはないです。ただ北乃きいちゃんが私より背が高いのが。あれで小柄なら私はどうなるのよ、っ
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