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いたのか」

「…貴様等の相手をするのは魅力的だが、奴を殺すことの邪魔をするのはやめてもらいたい…もっとも」
「関係ない。あいつらのどちらかは今、死ぬ」
須佐之男の言葉に速水はそちらに視線を向ける。

雄大達の周りに渦巻く水は姿を変え、数体の竜の姿を象る。
「…物量に状況だ。操血鬼の選択次第で両方死ぬ」

星雅が攻撃を弾くだけなら簡単だ、しかし二人がいるのは空中。雄大は気を失い、落下している。それに加え、雄大の背には神玉の死体があり、星雅が急落下する二人より地上につくことは不可能だ。
それに、星雅が一瞬でも迷えば水竜は星雅を狙い討ち、両方死ぬことになるだろう。

「…なるほど、確かに、高さが高さだ。あんなんじゃ死なないにしても手遅れになる。だけど、少し浅いんじゃないか?」

速水の不敵な笑みに「何?」と須佐之男が振り向く。

星雅は雄大達を一切眼下から外し、血液の鎌を竜の首に掻き立てる。雄大が落ちることを全く考慮せずにただ目の前の敵だけを斬る。


「…馬鹿が、奴のタフさにでも賭けたのか?既に致死量の血を流失しているんだ。仮に赤玉をクッションにしたとしても衝撃は免れない」

急降下して行く雄大を見ながらも速水の笑みは尚消えない。
「…一人だったら救出は無理だった、その為に二人…そして」

雄大の最期を見ていた須佐之男は目を見開き、驚嘆の声をあげる。
「地面が開いて…!?まさか…!」

「三人目でようやく…ここから逃がす事が出来る」
笑みと共に、速水は携帯していたナイフを抜いて須佐之男に走った。

雄大が地面に直撃する寸前、突然地面に現れた扉。雄大と神玉が入ると同時に閉じ、何も無かったかのように元通りになる。

「…我は…」
須佐之男の張った障壁は大きく歪み、壊れながらも速水を弾いた。

速水は飛ばされながら足で地面に急ブレーキをかける。
同時に、星雅も空中から着地し、並んだ二人は須佐之男の方へと向く。

「我は…建速須佐之男(たけはやすさのお)也…」
須佐之男はゆっくりと顔をあげる、その顔に獲物を逃したことへの落胆はない。
寧ろその顔は新しい獲物を見つけ、獰猛な笑みを浮かべていた

「貴様等の(めい)試させてもらおう!!」
須佐之男の叫びと共に周りの水全てが須佐之男の周りを廻る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


真っ暗な空間、二人の男と一つの死体が横たわる。
一つは手術台のような物にのせられており、もう一人はその姿を見ている。もう一人は座り込んでいる。

気を取り戻した雄大はその男を見て驚きながらも冷淡に言った。
「そうか…お前だったか」

「…えぇ、私です」
返事をした男は身長が高く、二m七十cm程の身長
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