18話 鈴戦
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瞬間加速。その加速はセシリア・オルコットの戦いで見せたものよりも早く、織斑 一夏との戦いで見せた神速の領域に届くほど。リミッターの掛けられている鬼神では出せないはずの速度。そして奇跡。
彗星になった黒い鬼が龍に躍りかかる。
「ぐ、ぎっ―――!?」
身に余る奇跡の反動に全身がバラバラに分解しそうになる。その痛みは鬼の意識を消失させかねないほど。
身体から訴えてくるその激痛と衝撃に脳髄が停止する。だが眠ることは許されない。意識が強制終了を迎える前に鬼の才が無理やりに立て直させる。
―――来たわねっ!
―――これを凌いだらお前の勝ちだ! 敗北を受け入れてやるさ!
鈴は鬼一の変貌に大して、理屈では下がってはいけないことを理解していたが後退を選択した。理屈ではなく本能が最善手を選び出す。
今の鬼一は明らかに先ほどと違うことを肌で感じ取った。つまりそれは鬼一が次のステージに踏み込んだことをだ。
左のスパイクアーマーにある球体が光る。
その光が視界で捉えた瞬間、鬼は迷わず更に踏み込む。
先読みなど関係ない。今の龍砲の使い方では先読みすることは無意味。大雑把な狙いとバラバラのタイミングの射撃をいかな鬼でも対応することは叶わない。
故に、すべきことはただ1つ。
被弾覚悟で最速で踏む込むのみ―――っ!!
右腹部と左膝に釘を打ち込まれたような激痛が抜ける。
身体の奥底から胃液が血液と混ざって込み上げたが、鬼の持つ異常な精神が耐え抜く。
「……オレを、オレを舐めるなぁっ!」
エネルギーは100を下回る。エネルギーの減少は止まらない。
もし龍砲が双方とも残っていればこれで決着していただろう。1人目の鬼一の行いは決して無駄ではなかったのだ。
鈴の後退は決して速いものではない。それは彼女がその行動に慣れていないから。前進することはあっても、後退したことはほとんどないのだろう。
弾幕を超え、鈴が双点牙月による迎撃行動に移る。
―――遅い。
最後の瞬時加速。
加速の勢いを余さず夜叉に乗せて最高の1?を叩き込む。
アリーナ全てを揺るがすほどの轟音。
漂白された意識の中で鬼神の1?は甲龍に防がれたことを理解した。だが、それがどうした? 元より1?でケリがつくことなど考えていない―――!!
光速の電気信号が全身を駆け巡り身体を走らせる。考えるよりも先に反応する。思考することすら無駄に感じられる。思考すれば迷いが生まれかねない。
逆手に構えたブレードが円を描き甲龍を切り刻もうとする。
まだ、目の前の相手は最高潮に達していないことを今の防御から鬼一は悟る。こちらは既に最高速の世界に踏み
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