イシュガルに舞う
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なかったことにガックリと来ているシャルルとセシリーは、浮かない顔をしていた。
「この感じ・・・」
そんな中、天空の巫女だけは、遠くを見つめ、他のものとは違う何かを感じ取っていた。
「これは、まだ始まりにすぎん」
地面に仰向けになっているマルド・ギール。不意に口を開いた彼の方に、シリルたちは耳を傾ける。
「魔法の消滅は、やがて無のエネルギーとなりENDが復活する。最強のエーテリアスが復活する時、人間には魔法という抗う術がなくなっている」
悔しさに顔を歪ませる魔導士たち。その表情を見て、戦いに敗北した冥府の王は、勝ち誇ったように笑みを浮かべていた。
「ちくしょおー!!!!」
悔しさを爆発させるナツ。その時、上空から二頭のドラゴンが、彼らの前へと落下してきた。
「何!?」
「アクノロギア!?」
その音に驚き全員がそちらを向く。そこには、アクノロギアを押さえつける炎の竜がおり、天を見上げその大きな口を開いた。
「諦めるな、人間たちよ」
「くっ・・・」
膝をつき、四つん這いになる金色の髪の少年。彼は白き巨塔を前に力尽き、立ち上がることすらできずにいる。
「レオン!!あぅ!!」
彼の元に駆け寄ろうとしたシェリア。しかし、彼女もまた、体に力が入らず、その場に倒れてしまう。
「どうなっているんだ、これは」
「体に力が入らねぇよ!!」
「そうは見えねぇぞ」
魔法が使えなくなったことにリオンとトビー、ユウカが動揺する。彼らの後ろにいるギルドのメンバーも、同様だった。
「無念・・・」
「間に合わなかったなんて・・・」
強い力を持っていながら、何もできなかったことに悔しさを覚え、顔をうつむけるジュラ。彼の隣にいるラウルも、翼が消え、地面に転落しながらそう言う。
「詰み・・・か」
絶大な力を持ちながら、目の前の障壁を越えられなかった自分に腹をたて、体をワナワナと震わせる氷の神。皆が諦め、絶望していたその時、一つの声が耳に届く。
『どけ』
「「「「「!?」」」」」
どこから聞こえてきたのかわからず、周囲を見回す蛇姫。その彼らの目の前にそびえ立つフェイスに、音速を凌駕する勢いで、巨大な影が突っ込んでいく。
ドゴォンッ
「「「「「!!!!????」」」」」
それは一瞬の出来事だった。巨大なそれがフェイスに直撃したかと思った瞬間、目の前に立っていた白き遺産は、まるでゴミのように崩れ落ち、地上に降り注いでいた。
「何!?今の!?」
「?・・・
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