第六幕その十
[8]前話 [2]次話
ボタンは森の中にはいませんでした、それでオズマも言うのでした。
「森の中にはいなかったわね」
「はい、そうでしたね」
カルロスは首を少し傾げさせてオズマに応えました。
「残念なことに」
「それじゃあね」
「何処でしょうか」
「大体察しはつくわ」
オズマは微笑んでカルロスに答えました。
「森にいないならね」
「それは何処ですか?」
「あそこよ」
こう言って指祭sた場所はです。
お城でした、午前に皆が作ったブロックのお城です。
「あそこにいるわ」
「ああ、お城ですか」
「そう、あの中にいるわ」
「そういえば」
言われてです、カルロスも頷きます。
「あの中は」
「そう、城壁に囲まれているし」
ブロックのそれにです。
「しかもね」
「はい、お城の中も」
「見えないから」
「だからですね」
「森の中にいないのならね」
「あの中ですね」
「そうだと思うわ」
こう予想を述べるのでした。
「あの子が今いる場所はね」
「それじゃあですね」
「今から行きましょう」
お城の中にというのです、そしてでした。
実際にです、皆でその橋を上げてです。門を潜ってまずは城壁とお城の間を探してからです。
お城の中に入るとです、ボタンが気持ちよさそうに寝ていました。つぎはぎ娘はその彼を見て皆に言いました。
「ぐっすりね」
「うん、寝てるね」
「やっぱり身体動かしてお腹一杯食べたからね」
「眠くなったんだね」
「そうみたいね」
こうカルロスにも言うのでした。
「それで寝ちゃってなのよ」
「ここに移ってたんだね」
「そういうことよ」
「ほら、近くにいたでしょ」
「実際にね」
ガラスの猫とエリカも言います。
「猫の勘は当たるのよ」
「お髭は嘘を吐かないわ」
「だからね」
「ちゃんとここにいるのよ」
「うん、勘は凄いね」
カルロスも腕を組んで考えるお顔で応えます。
「まさかね」
「本当に傍にいたなんて」
「思わなかったっていうのね」
「いや、ある程度は思っていたけれど」
それでもというのです。
「本当に傍にいたからね」
「人間の勘なんて比べものにならないのよ」
誇らしげに胸を張ってです、ガラスの猫はカルロスに言うのでした。
「猫の勘はね」
「鋭いんだね」
「その通りよ」
「猫のお髭はね」
エリカはそのお髭をこれみよがしに見せています。
「レーダーなのよ」
「そこまで凄いんだね」
「そういうことよ」
「そうなんだね、だから」
「わかったのよ」
「そういうことだね、じゃあね」
カルロスはあらためて言いました。
「ボタンを起こして」
「宮殿まで帰ろうね」
馬が応えます。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ