第3話
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
久しぶりの自宅に戻り、ゆっくりと休むことができた。母さんは何も聞かずに、ただお帰りと言ってくれた。それから遅くなるなら連絡ぐらいしなさいと拳骨も貰った。それがありがたかった。隠し事をしていると言わなければならないのはオレにとっても辛いことだから。
朝食のパンケーキを食べ終わった後は身だしなみを整えて、変装用の衣装を用意してからLDSに向かう。かあさんには、昨日のペンデュラムの量産に関してLDSで打ち合わせがあると言ってある。実際、それは真実だ。ペンデュラムはデュエルをさらに進化させる。そのためにはどんどんカードを量産して普及しなくてはならない。
それとは別としてアカデミアの侵略行為に対しての対策なんかも話し合わなくてはならない。赤羽零児と手を組まないとハートランドの立て直しはどうすることもできない。
約束している時間の10分前にLDSに到着し、そのまま社長室へと通される。扉の先には赤羽零児が待っていた。
「おはよう、寝坊しちゃったかな?」
「いや、時間通りだ。榊遊矢。昨日のデュエルは見せてもらった。ペンデュラム召喚、あれは確かに素晴らしいものだった。中々に興奮させてもらった」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。それで、隼から説明されていると思うけど、アカデミアのトップ、赤羽零王、奴は君にとっての何?」
「血の繋がった父であり、私たち家族を捨てた敵だ!!」
「そうか」
その答えを聞いてオレは昨日使ったデッキを投げ渡す。
「昨日のデッキ、解析するなりしてペンデュラムを量産して普及してほしい」
「いいのか?」
「いいさ。デュエルの可能性はもっと大きくなってほしい。それがオレの望み。いつかはオレさえも超えるデュエリストが現れるのをオレは待っているんだ」
「超えるデュエリストが現れたら?」
「一人のエンタメデュエリストとして再出発さ」
オレの答えに赤羽零児から笑いが溢れる。
「君は本当にバカだ。黒崎隼から話を聞き、ハートランドの現状も見せてもらった。それでも君は人の笑顔のためにデュエルを行ってきたのだな」
「それがオレの誇りだからな。それにピエロはサーカスの花形だぜ」
「そうか。それから、すまない」
急に赤羽零児が頭を下げたことに首をかしげる。
「何がだ?」
「君が心を病んでしまった原因の一端が私にあるからだ」
原因の一端、繋がりが見えないが繋がりがありそうな部分はあそこにしかない。
「父さんは、協力者だったんだね」
「気づいたのか!?」
「オレは多分、何か強力なカードを生み出したか、拾ったからだろうけど、父さんが次元を超えるには事故か、転移装置を使うかだ。それで原因の一端があるってことは、転移装置を使ったんだろ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ