第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#2
VOODOO KINGDOM
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如告げられたその「真実」に、
承太郎は頭蓋をハンマーで殴られたような激しい衝撃を受ける。
「……」
放心状態に陥った孫を憂うように見据え、ジョセフは言葉を続ける。
「百年前の大西洋の「事件」は、
ワシが若い頃エリナお祖母さんから聞いた話の推測でしかないが、
とにかくDIOは、ワシの祖父の肉体を奪って生き延びた。
そして! これだけはいえる! ヤツは今!
この世界のどこかに潜んでナニカを策しているッ!
ヤツが甦ってから4年! ワシの「念写」も! お前の「悪霊」もッ!
ここ僅か1年以内に発現しているという事実……!
おそらく、イヤ確実にDIOが元凶ッ!」
「おまえの能力は、人間の世界でいう処のいわゆる超能力。
私のは違うけど、おまえとそのDIOとかいう男は、
乗っ取ったおまえの祖先の肉体と見えない因果の糸のようなもので結ばれている。
その存在がおまえの裡で眠っていた能力を呼び熾した。
今、解ってるのはそんな所よ」
ジョセフの説明をシャナが完璧に補足した。
しかし、ケーキがその小さな口元へ運ばれる度に
目元がにへっと年相応に緩むので恐ろしく説得力がない。
「……」
承太郎は写真にもう一度、DIOの姿を確認するため視線を落とした。
「ッッ!?」
驚愕に三度その両眼が見開かれる。
いつのまにか、“写真の中の人数が増えていた”
DIOを中心として、その周囲に無数の者達が群がっている。
承太郎がジョセフから写真を奪い取ったとき、
まだ 「念写」 の 「現像」 は終わっていなかったらしい。
そしてソレが完了した今、大小様々な人物が写真の中にいた。
が、しかし、その全てが邪教徒のような冥い色彩のローブを纏っており
フードを目深に被っている為、表情は疎か性別すらも判別できない。
冥き色彩を纏う者達は全て、
その中心部に屹立するDIOに向かって傅くように片膝を下ろし、
片腕を立てたもう一方の膝に携え、
全員が忠誠の誓いを示すように頭を垂れていた。
その様子から伺えるの両者の関係は、
【王】 とソレに仕える 『下僕』
一体何者なのかは当然、皆目見当もつかない。
ただ、彼等がその身に纏っているローブは、
目の前でシャナが着ているマントのような黒衣とよく似ていた。
寂びた色彩、そして異様な存在感。
「気がついた? 私が用があるのは、
そのDIOとかいう男よりも寧ろ “その周りのヤツら” 」
承太郎の反応から写真に何が映っているか察したのか、
口元をナプキンで綺麗に拭いながらシャナが言う。
「もちろんどう好意的にみても無関係とは想えないから、
当然その男も討滅するつもりだけど」
「……!」
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