第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#2
VOODOO KINGDOM
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るのが遅れたな。 我が名は 『アラストール』
紅世の王 “天壌の劫火” アラストール」
「……紅世……? 天壌……? 王……だと……?」
突拍子も無い話の上、更に累乗で不可思議な現実が加わり
怜悧な頭脳も過剰回転を引き起こした。
「紹介が遅れた。 こちらが最近知り合ったもう一人の“友人”じゃ」
「うむ」
ジョセフはそのアラストールと名乗った優美な芸術品、
或いは超精密機械のような喋るペンダントに向けて敬意の視線を送る。
「信じ難い事かもしれないが、彼の言ってる事は本当だ。
今の 「状態」 は世を忍ぶ仮の姿といった所か。
お前が先程牢内で体験したシャナの 『能力』
実はこの彼、アラストールの力に依る所が大きい」
「……」
紅世の王……
天壌の劫火……
牢屋の中で、 「悪霊」 の 「正体」 を解き明かすため悪霊本人に持ってこさせた
(と言っても頭の中でそう想っただけで、悪霊がどこからか勝手に持ってくるのだが)
オカルト関係の書物を読み漁っていた時に、確か似たような記述を目にした覚えがあった。
“紅世”とは、 『クレナイノセカイ』 の事。
「この世」、つまり「現世」に折り重なるようにして存在する、
『もうひとつの世界』
ソコに存在する、自らの実体を持たない真名の王達が、
この世の人間を 『依り代』 としてその強大なる力を現世に「顕現」させた事が、
後の世の 「神」 や 「天使」 の原型となった云々……
余りにもアホらし過ぎて途中で本をブン投げたが、
しかし現に、今、目の前で、ペンダントが自分に向かって喋っている。
録音や機械合成等というチャチな代物とは全く違う、紛れもない生の肉声。
ソレは紙の上の知識からだけでは決して得られない情報だった。
最も、ただの首飾りを王だのなんだのと鵜呑みにする気はサラサラないが。
「あらすとおるさん? 漢字でどう書くのかしら?」
そんな中、ホリィだけが妙にピントの外れた思索に耽っている。
「まぁ、 「彼」 については追々シャナが説明してくれるじゃろう。
何しろワシなどより遙かに長いつき合いじゃからな」
「なッ!? なんで私が! こんなヤツにッ!」
再び騒ぎ出そうとするシャナを、ジョセフは慣れた感じでケーキを追加注文し宥める。
「さて、話を戻すぞ。まぁ、お前がいきなり信じられないのも無理はない。
ワシも昔 『死んだ筈のアノ男が』 あのようなカタチで生きていると解った時、
どのような態度を取ればいいのか解らなかったからな。
そこでだ……有無をいわさず信じるようにしてやろう。
何故、このワシがDIOの 「存在」 を知り、ヤツの行方を追っているの
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