機動戦艦ナデシコ
1382話
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ロートの数はそれ程多くはない。
量産型Wのシャドウにいたっては、言うに及ばずだ。
一応シャドウも主力ではあるのだが、こっちは質も十分に備わっているからな。
量産型Wも色々と多彩である以上、色々な場所で引っ張りだこだったりする。
にしても……
「ないな」
周辺を見ながら呟く。
ニーズヘッグの映像モニタに映っているのは、どこまでも広がる赤茶けた火星の大地だ。
とてもではないが、草壁が口を滑らせた物を見つけるのは難しい。
そもそも探している物すら実際にはどんな代物なのか分からないのだから、どうしたって見つけるのには時間が掛かる。
「……何だか面倒臭くなってきたな。そもそも、火星を丸々調べるってのに無理があるし」
地球よりも小さくても、火星は惑星だ。
それも、地球はその7割が海だ。
そう考えれば、ぶっちゃけ地球の半分の大きさしかない火星であっても、探す範囲という意味で考えればこっちの方が広いということになる……のか?
まぁ、地球の場合は海に何か……恐らく火星古代文明に関する物が沈んでいるという可能性を考えると、まだ海がない火星の方が探しやすいのかもしれないが。
そう考えると、寧ろ探すのは火星で良かったと言うべきだな。
自分を慰めるように下らない事を考えていると、不意にニーズヘッグのレーダーに反応があった。
一瞬コーネリア達かとも思ったが、それが違うというのはレーダーを見ればすぐに理解出来る。
そこに表示されているのは、紛れもなく虫型戦闘兵器のメギロート……ではなく、バッタ。
そう、本来であれば実働班が必死にまだ火星に残っているのを探しているバッタだった。
それは間違いない。間違いないのだが……
「何でわざわざ俺のいる場所に出てくる? 実は草壁が俺の邪魔をする為にそう命令してるんじゃないだろうな?」
草壁が自分の漏らした内容が不味い代物なのだと判断しているのであれば、俺に火星を探索させるような真似はして欲しくはないし、可能であれば妨害したいだろう。
だとすれば、このバッタの反応はおかしくないのか?
いや、でももし本当にバッタを使ってこっちの邪魔をするのなら、もっと数を大量に使わないか? しかも俺だけじゃなくて、他の実働班の機体にも邪魔をするような……
うん? それ以前に俺は木連でニーズヘッグを使ってはいない。
だとすれば、草壁がニーズヘッグの邪魔をするようには……だとすれば、これは偶然?
いや、バッタの得た情報が木星にも渡っていた以上、当然木連側でだってニーズヘッグの存在を知らない筈はない。
そうなるとやっぱりこれは草壁……というか、木連の妨害工作だと考えた方がいいだろう。
「まぁ、今更バッタ程度で俺達の妨害が出来ると思われているのは
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