第87話(4章終了)
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って、『教団』は完全に叩き潰された。信者たちは全員、自決するか精神に破綻を来して衰弱死した。残党もいたって話だが………教会や例の”結社”、メンフィルの諜報部隊とやらが動いて密かに殲滅したっていう噂もある。『D∴G教団』の悪夢は完全に終わったはずだった―――」
「ですが、この『蒼い錠剤』。これがその教団が使っていた『グノーシス』である可能性は出てきたというわけですね。」
セルゲイの話を聞いたロイドは真剣な表情で蒼い錠剤が入った袋を取り出して尋ねた。
「現時点では憶測の範囲だが………もしそれが本当なら6年前の悪夢が別の形で引き起こされるかもしれん。それもマフィア同士の抗争を巻き込むような形でな。」
「最悪すぎんだろ………」
「それが本当なら………絶対に見過ごせません………!」
「ああ……もちろんだ。」
怒りの表情のエリィの言葉に怒りの表情で頷いたセルゲイは煙草を口に咥えて火を付けた。
「―――ロイド。3年前、お前の兄貴を殺った犯人はいまだ見つかっていない。」
「……はい。何でも手掛かりが少なすぎて迷宮入りになってしまったとか。」
「ああ……一課に移ってからヤツはもっぱら単独で調査をしてたって話だからな。大国の諜報機関、ルバーチェ、それとも全く別の犯罪組織………もしくはどこぞの猟兵団やテロリストなんてのも考えられたし、ルファディエルのヤツは顔見知りの犯行かもしれないと推理はしていた。だが―――それ以外にも俺の頭を掠めた可能性があった。」
「『教団』の残党……ですね。」
(………………………)
セルゲイの言葉にロイドは頷き、ルファディエルは考え込んでいた。
「ああ……今となってはその可能性も現実味を帯びてきた。その意味では、俺にとっては元部下の弔い合戦になるだろう。お前らには悪いが、この先は俺も出しゃばらせてもらうぞ。」
「課長………」
「わ、悪いどころかすごく助かりますけど……」
「つーか、まるで今まであえて放任してたような口ぶりッスね?」
そしてセルゲイの申し出を聞いたロイドは驚き、エリィとランディは口元に笑みを浮かべた。
「クク、どうだかな………ただまあ、この特務支援課は元々はガイのアイデアを参考に設立したってのは確かだ。」
「そ、そうなんですか?」
「ギルドの評判に対抗するため設立された部署だったのでは………」
「そいつは上層部を納得させるための口実だ。―――生前、ガイのヤツが俺に語っていた言葉がある。今のクロスベルに必要なのは”壁”を乗り越える力だ………若いモンが失敗してもいいから力を合わせて前に進める場所……それが警察には必要なんじゃないかってな。」
「兄貴が……」
(………ガイらしい考えね…………策で
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