第86話
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たんだと思います。」
「供物………」
ティオの話を聞いていたロイドは真剣な表情で呟いた。
「供物といっても生贄とかじゃありません………そんな目に遭った子もいたのかもしれませんが………その教団は、幾つかの拠点を持ちロッジごとに様々な方法での”儀式”を試みていたようでした。そしてわたしが連れて行かれたロッジで行われていたのは………”儀式”という名の人体実験でした。」
「じ、人体実験………!?」
「ひょっとして、お前の感応力やその翼のことか……?」
ティオの話を続けて聞いていたエリィは信じられない表情をし、ランディは目を細めて尋ねた。
「………はい。薬物を投与され………全身にセンサーを付けられ………考え付く限りのやり方で五感を高める試みが行われました。さらには強制的な暗示と精神的な負荷をかけることで霊感のようなものまで高められ………3年間……それが毎日のように続きました。この翼もわたしが気を失っている間にでもした……悪魔の力を宿らせるような”儀式”でもして、宿らせたのでしょうね………多分、レンさんの普通の子供とは思えない程の身体能力や大鎌を操る能力、豊富な魔術の才能を含めた全てにおいて”天才”を誇る能力を何故持っているかもわたしと同じ理由だと思います………」
「………あ………」
「……そ、そんな………」
「………………………」
「それでもわたしとレンさんは………幸運な方だったのかもしれません。わたし以外の子は………全員が耐えきれませんでした。一人、また一人と周りから子供がいなくなって………ついに一人になった頃、わたしは手に入れていました………分厚い岩壁の向こうで他の子達が上げた最後の悲鳴を聞き取れるくらいの感応力を……レンさんは別のロッジでしたから、どうかはわからないですが………きっと、わたしとあまり変わらない経験をしていると思います………」
「……っ………!!」
「ティオ………ちゃん………」
「………外道どもが………」
(外道がっ!)
(悪魔に魅入られた愚か者どもが………!関係のない幼子達をそのような目に遭わせるとは……!)
(………なるほど……ね。ティオはその”儀式”によって悪魔の力を宿らされたようね………)
ティオの説明を聞いたロイドは唇をかみしめ、エリィは悲痛そうな表情をし、ランディは静かな怒りを纏って呟き、メヒーシャとラグタスは怒り、ルファディエルは真剣な表情で考え込んでいた。
「……………………―――そんな時でした。わたしのいたロッジにロイドさんのお兄さんが………ガイさんが乗り込んできたのは。」
「あ……」
「ガイさんを含めたチームは教団の信者たちを無力化しながらロッジを制圧していきました。抵抗は激しく、制圧された途端
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