第86話
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ぞれ考え込んだその時
「―――いいですよ。何を聞いてくれても………」
ティオが目を覚ました。
「ティオ……起きたのか。」
「よかった……」
「ったく………心配かけやがって。」
目を覚ましたティオを見たロイド達が安堵の溜息を吐いたその時、ティオが起き上がった。
「あまり……気を遣わないで下さい。薬物捜査に携わる人間として皆さんは聞く必要がある………わたしの知っている情報を。」
「………あのな、ティオ。俺達がティオの気の進まない話をわざわざ聞こうとすると思うのか?」
「え……」
ロイドの言葉を聞いたティオは呆け
「もちろん捜査も大事だけどそれとこれとは話が全く別よ。私達にとって、あなたは同じ仕事に携わる同僚だけど……それ以前に、何よりも代えがたい仲間だと思っている。」
「……ぁ……………」
「他人には秘めておきたいそいつならではの事情はあるさ。ま、俺の過去についてはちょいとばかりバレちまったが………ティオすけ、お前がそれを知られたくねぇってんなら……俺らは全力でお前に協力するさ………」
「エリィさん……ランディさん………」
エリィとランディの言葉を聞き、涙ぐみ
「………そういう事だ。でも、もしティオが俺達に話したいんだったら……話すことで少しでも気持ちを軽くできるんだったら……だったらその重荷はぜひ受け持たせて欲しい。」
「…………ロイドさん………………………」
さらにロイドの言葉を聞いて涙を流して黙り込んだ。
「ふふ………よくそんなに恥ずかしい台詞を言えますね。ロイドさんだけでなく、エリィさんもランディさんも………お二人ともロイドさんに影響されてるんじゃないですか?」
そして涙をぬぐって気を取り直した後苦笑し、ジト目でエリィとランディを見回した。
「ハハ、そうかもな。」
「うーん、確かに否定はできないわね。」
「否定してくれよ………」
ティオの言葉を聞いて笑っているランディやエリィを見たロイドは溜息を吐き
「………ふふ………」
3人の様子を見たティオは微笑んだ後、ベッドに座り直し話し始めた。
「ロイドさんには前に少し話しましたが……わたしは5歳の頃、両親と離れ離れになりました。とある狂信的な宗教団体に拉致されることによって………」
「!?」
「あ………」
「………そいつは………」
「既に気付いていると思いますが以前、エステルさん達が話していた”教団”の事です……………その教団の真の教義や目的は今でもわからないそうですが………ただ彼らは、女神を否定し、悪魔を崇拝することで何かを得ようとしていました。わたしを含めた他の子供たちは………その”供物”だっ
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