第83話
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呟いた。
「ところがどっこい、クロスベルで違法薬物ってのはあんまり出回ることはないのよ。何しろ他の犯罪と違って、周辺諸国にも広がりかねない影響力のある犯罪だからね。エレボニアやカルバードからの圧力もあって捜査一課の手で違法薬物は厳重に取り締まられてるらしいの。そしてルバーチェなんかもその辺の空気は読んでるわけよ。」
「そうだったんですか………」
「そのあたりの事情は俺も警察学校で教えてもらいました。でも、この錠剤は………」
グレイスの説明を聞いたエリィは意外そうな表情をし、ロイドは頷いた後懐から蒼い錠剤が入ったビニール袋を取り出した。
「蒼色の錠剤………見た目は綺麗な感じだけど。」
「なんつーか………やたらと怪しげな感じだな。」
「……………………………」
ロイドが取り出したビニール袋をエリィとランディは真剣な表情で見つめ、ティオは辛そうな表情で黙り込んでいた。
「ティオ、何か心当たりが?」
「いえ………すみません。ただの気のせいだと思います。でも、その錠剤……一体どうするつもりなんですか?」
「そうだな………俺達だけで決めるのはちょっと大事すぎるかもしれない。いったん戻って課長に相談しよう。」
「ええ、それがいいと思うわ。”黒月”の襲撃事件についても報告した方がいいでしょうし、後はセティちゃん達も呼び戻してこれからどうするかみんなで考えた方がいいでしょうし。」
「マフィア同士の抗争に加えてクスリ絡みの事件の可能性か………ったく、とんでもなく忙しくなりそうな気がしてきたぜ。」
「ふふっ………」
ロイド達が話し合っているとグレイスは微笑み出し、グレイスの様子に気付いたロイド達は振り向いてグレイスを見つめた。
「いや〜、あなたたちと知り合って4ヵ月になるけど………ずいぶん成長したな〜って、お姉さん感慨に浸かっちゃうなぁ。」
「グレイスさん?」
「い、いきなりどうしたんですか?」
「誉めても何もでませんが………」
グレイスの言葉を聞いたロイドとエリィは戸惑い、ティオはジト目で見つめて先にくぎをさした。
「いやいや、マジな話、あなた達には期待してるのよ。ロイド君のお兄さん………ガイ・バニングスと同じくらいね。」
「そ、そういえば……前にも言ってましたけど。グレイスさんは兄貴と知り合いだったんですか?」
「あたしが新米記者だったころ、色々とお世話になったのよね〜。結局、ガイさんの事件については迷宮入りになっちゃったけど………それでも、彼の遺志を継ぐ部署が警察に出来て凄く嬉しかったわ。」
「え……」
「ロイドのお兄さんの遺志を受け継ぐ部署……?」
「おっと、これ以上喋ると課長さんに怒られちゃうかな。あたし
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