第82話
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そのあたりは了解してください。」
その後ロイド達はグレイスに自分達が聞いた情報を話した。
「……なるほどね。うーん、思っていた以上にヤバイ状況になってるわねぇ。」
「ええ………そうなんです。今のところはどこも一般市民を巻き込まない配慮はしているみたいですが………」
「いや、それにしたって今回の事件は唐突すぎるわよ。いくら真夜中とはいえ、通信社の近くでの襲撃よ?しかも近隣には天下のIBCや、アルカンシェル、そしてホテル”ミレニアム”………さすがに思い切りが良すぎだわ。」
「ええ、そうですね………下手をすればクロスベルの金融・貿易センターとしての信頼や観光地としての信頼も揺るがしかねない出来事だと思います。」
グレイスの言葉にエリィは真剣な表情で頷いた。
「そこなのよね、ポイントは。うーん、こりゃあたしが掴んだ情報もあながち嘘じゃないかもしれないわ。」
「グレイスさんが掴んだ情報………」
「……話してもらえますか?」
「オーケー。今度はこっちのターンね。実はね………マフィアの内部事情なんだけど。最近、若頭のガルシア氏の統制が行き届かなくなっているって噂があるみたいなのよね〜。」
「それは………本当ですか?」
「ちょいと信じられねぇな………あの化物みたいなオッサンに部下どもが逆らえるとは思えねぇが。」
グレイスの話を聞いたロイドは驚き、ランディは溜息を吐いた後目を細めて呟いた。
「まあ、そうなんだけどね。ただ旧市街の一件についても、鉱山町の利権を狙おうとしたのもガルシア氏の指示じゃないらしいの。手柄を立てようとした下っ端が独断でした結果らしいんだけど………そうした若手ならではの暴走が目立ってきているらしいのよ。」
「ふむ………」
「ちょ、ちょっと待ってください。それでは昨夜の襲撃も若手の勝手な暴走だと………!?」
「まあ、さすがに事が大きすぎるし、それは無いとは思うんだけどね………ただ、そういう事情を踏まえるとガルシア氏のさっきの態度は何となく理解できるんじゃない?」
「確かに………取り巻きもいなかったしな。」
「ルバーチェ内を統制するのに苦労しているという事か………」
「でも、例の会長さんの方はいったい何をしているんですか?」
グレイスの話を聞いたランディは納得した様子で頷き、ロイドは考え込み、ティオは疑問に思った事を口にした。
「聞いた話によると”競売会”での失態を取り戻そうと必死になっているみたいね。機嫌を損ねたハルトマン議長へのご機嫌取りはもちろんだけど………新たに自治州内の有力者を取り込もうとしているらしいわ。」
「新たな有力者……どのあたりなんでしょうか?」
「端的に言うと共和国派議員ね。それ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ