sts 28 「雷光の裏側」
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はショウにしがみつきながら声を殺すように静かに泣き続ける。
少し前の……六課に来る前のなのはなら多分あんな風に泣いたりはしなかっただろう。泣くにしてもそれはショウではなく私の前だったと思う。
でもふたりは六課が設立されてからフォワード達の教導という名目でいつものように一緒に過ごしていた。私の知らない時間があったんだ。
……分かってる、頭ではちゃんと分かってる。なのはがショウに教導の手伝いを頼んだのは自分がいないときのことを考えだったり、フォワード達に適したデバイスを渡してあげるためだって。だけど……ふたりが抱き合ってるところを見て優しく見守られるほど私は大人じゃない。
「…………私は」
なのはのことが好きだ。私に本気でぶつかってくれて……友達になろうって言ってくれた大切な存在。今も昔も変わらない私のかけがえのない親友……。
でも……ショウのことだって好き。傍にいるだけで嬉しくて楽しくて……いつも傍に居たいと思える私の最愛の人。親友であるなのはやはやてにだってショウだけは渡したくない。もし仮にショウが彼女達を選ぶとしても、自分の想いを告げてなかったらきっと私は祝福してあげられない。
ショウの隣に居たい。
そう思いながら告白する勇気もなくて……他のみんなも仕事で忙しいだろうからきっと今と変わらない。まだ時間はある。そんな風に思いながらも何かあれば内心で嫉妬したりして……こんな自分が私は大嫌いだ。
「……そもそもが間違いなのかな」
なのは達と出会ってからの10年間……悲しいこともあったりしたけど、それでもとても楽しかった。だけど私の中からは消えないことがある。
私の周りに居る人達は、私をフェイト・T・ハラオウンという人間として扱ってくれる。でも私は……アリシアのクローンとして作られた存在。なのは達とは違ってお母さんから生まれてきたわけじゃない。
人よりも寿命が短いとか体に問題があるわけじゃないし、子供だって普通に作れる。愛しい人との子供はほしいと思う。そういう意味では私は人間と変わらない。
だけど……もしもクローンに関連することに恨みを持つ人がいたら。もしも私に子供が出来てそういう人間と会ってしまったのだとしたら……。そう考えるだけで体が震えてしまう。
考えちゃダメ……考えちゃダメだ。最悪なケースを考えるのは仕事の時だけにしないと。
今ふたりの前に出て行けばどうなるだろう。なのははともかくショウは私の心配をしてくれるだろうか。なのはと同じように抱きしめてくれるだろうか。
「……甘えちゃいけない」
私はこれまでに何度もショウに甘えてきた。でも彼だって私と同じように辛い思いをすることがある。それに……私は昼にショウに甘えていいって言ったんだ。素直には
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