第1章 情熱の体育祭
第21話『準備』
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を振って開始を合図した部長。
そしてその瞬間、俺は一直線に駆け出した。
「はぁっ!」
俺は走りの勢いに合わせて右の拳を構える。
すると、その拳の周りの大気が歪み、拳を纏うように風が生まれた。
「それがお前の能力か」
暁君は向かってくる俺を恐れずにそう言った。
だが彼の魔術は未完成。これを防ぐことなんて出来る訳が・・・
「おっと」
「へ!?」
避けた!?
しまった。その行動は予想してなかった。
魔術同士の戦い、ということで魔術で防ぐかなと思ってたし。
いくら運動の苦手な暁君でも、俺の動きを読み、避けることは容易いだろう。そして俺は無様にコケると。
「ほら、どうした三浦」
無表情でそう言う暁君。
クッソ〜、これ俺が優位に立つ場面じゃねぇのかよ!
「まだまだ!」
俺は座り込んでいた状態から一気に立ち上がり、もう一度拳を構えた。
避けるなんて行動は大体1回しか通用しないんだよ!
「ほらよ」
「眩しっ!?」
…とか思ってたら、暁君の手から不意に光が放たれた。まるで懐中電灯を照らすかの様に。もちろん、直視したため目が眩む。
俺は両目を手で塞ぎ、大いに焦っていた。
「光は…出せるのかよ…」
苦し紛れに俺はそう洩らす。
そういやさっき光ったとかどうとか言ってたな。まさか光はもう出せるとは。なんたる不注意・・・
「隙あり!」
「がっ!」
俺は目を塞いでいて無防備だった為、暁君の拳が腹にヒットする。威勢が良い割りには威力が弱い気がしたけど、それでもちょっと苦しい。
「もう一発!」
「二度も喰らうか!」
俺は目を瞑ったまま、両手を勢いよく扇ぐように広げた。
すると、(よく見えないのだが)風が前方を吹き飛ばす。
いや〜練習してると応用が効くなぁ。さっき思いついたんだけど。
「くっ、やるな」
暁君の声が聞こえた。よし、効いてる効いてる。
それにしても、目がチカチカして全然前が見えない。
「よし…!」
が、もうそろそろいいだろうと思い、俺は目を開けた。少々ボンヤリしていたが、慣れるのはすぐだろう。
「ホイ」
「目がっ! 目がァーー!!!」
あぁぁぁ!!! ヤバい、目がヤバい!!
失明とかしないだろうな!!? 大丈夫だよな?!!
「クソっ、一度ならず二度までも…。こうなったら一か八か…」
俺は周囲が見えないが、ある技に賭けることにした。それは・・・
「全てを吹き飛ばす…!」
周囲が見えないのであれば、全方位を攻撃すれば良い話。できる
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