第61話
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が鳴りはじめた。
「はい、特務支援課、ロイド・バニングスです。」
「ダドリーだ。そちらの状況はどうだ。」
「ああ、お疲れ様です。遊撃士協会の協力は無事、取り付ける事ができました。」
ロイドは通信相手―――ダドリーにクロスベル支部の遊撃士全員がマフィアと行方不明者達の捜索を引き受けてくれた事を説明した。
「フン……マクレインに借りを作ったか。まあいい、連中ならば何らかの成果は挙げるだろう。―――こちらはようやく、マフィアどもの姿が消えた事実に上の連中が騒ぎ始めたところだ。だが、まともに動けるにはもう少し時間がかかるかもしれん。」
「了解しました。そういえば――――今、空港近くにいるんですが爆破予告の方はどうなりましたか?」
「フン、そちらは完全にガセだった可能性が高いな。最新の導力探知器で空港内をくまなく調べたが何も出てこなかった。」
「やはりマフィアの動向と何らかの関係が……?」
「今、その線も探ってる。―――ちょっと待て、空港の近くにいるそうだが………まさかそちらの方にまで首を突っ込むつもりなのか?」
「いえ、実はこれからウルスラ病院に向かうんです。成分調査の連絡が遅れているので直接訪ねてみようかと。」
「なんだ、まだ聞いていないのか?まったく、これだから新米は。その手の連絡は、正確な時間を決めて迅速にだな………」
「す、すみません。(確かにアバウトだったな………)」
「薬の成分が明らかになればこちらも上を動かしやすくなる。その医師とやらの働きには期待したいところだが………そう言えば、何という名前の医師なんだ?」
「ああ、言ってませんでしたか。ヨアヒム・ギュンターといって神経科と薬学担当の准教授です。30代半ばくらいですけどかなり有能という評判ですね。」
「ふむ、それなら少しは期待できるかもしれんが………―――ん?」
「?どうしました?」
「ちょっと待て………ヨアヒム・ギュンターと言ったか?それは眼鏡をかけたわりと飄々とした感じの男か?」
「ええ、そうですけど………会った事があるんですか?」
通信相手―――ダドリーの反応の様子を不思議に思ったロイドはダドリーに訊ねた。
「………………」
「あの、ダドリーさん……?」
「……会ったのは2ヵ月ほど前の事だ。アルカンシェルのプレ公演で市長を暗殺しようとした犯人――――アーネスト元秘書の取調べをしている最中にな。」
「え。」
「セルゲイさんから聞いたかもしれんが、アーネストは完全に錯乱していた。そこで仕方なく、彼が以前から相談していたというカウンセラーをウルスラ病院から呼び寄せたんだ。それでようやく、まともに事情聴収ができるようになったんだが………」
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