闇の支配者(笑)+ストーカー&ボッチ=末期
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
「美と言う言葉がこれほどに似合う者など、他におるまい……!」
「否、美と言う言葉すら陳腐で有るぞ……彼女にとっては」
これだけ聞くと一国の王女や、世界一の美女でも見ているかのように思えてしまう。
されど言わずもがな、画面に映っているのは紛う事無き 幼女その人。
幼女が大剣をブンブン振り回し、またファンに抱きつかれ泣きだす。
ゴッツい男どもが涙を流さんばかりに打ち震え、また眼を血走らせて凝視している。
別に剣を使っているからこうしよう、彼女の弱点は此処だろうか、だのと作戦を考えているなら良い。
だが作戦とは名ばかりのテイルレッド観賞会である―――しかも二時間延々と。
更には同じシーンのループやMADもあり、どれは繋ぎ目がかなり自然な出来栄え、所謂一つの神編集動画となっていた。
……武器すら研がず、一体何に労力を費やしているのだろうか、この変態共は。
「次にテイルブルーだが……」
仮に総二本人が居たなら精神的被害で発狂しそうな動画が漸く終わり、ツインテイルズの内が一人・愛香の名前が挙がった。
平時で有ればグラトニーに次ぐ戦力を誇り、力と技を十二分に備えた、言うまでも無い強敵。
ツインテール属性も高く、侮りを持って挑むなど愚の骨頂と言える相手だ。
何よりアルティメギルに容赦がないのは言わずもがななのだし、ツインテールに拘り過ぎて視野が狭まるテイルレッドよりも、ある意味警戒すべき者だと言えよう。
つまり、彼女の動画こそ凝視して然るべき―――
「早回しで構わぬな」
「是非も無し」
「うむ、異論は無い」
―――でも普通に十倍速ボタンが押された。
戦力的被害は普通に大きいのだが、まさか如何でも良くなっているのだろうか。
……それとも単に愛でる要素がないからか―――即ち阿呆か。
音も無く早送りの音だけが耳に入る中、ツインテールは良いのにな、と言った呟きだけが漏れ聞こえる。
「次は新たなる戦士、テイルイエロー……コイツはまた癖者の様でな」
雨霰に雷の銃弾を撃ち放つイエローの姿が大写しになり、流石に新参者だからか早送りはしなかったものの、代わりに非難の声が彼方此方から上がった。
「何と! 何故脱ぐのだ!」
「絶対領域を愛する私からすれば、最早魔神の体現者に他ならぬ!!」
「しかも恥じらいがまるでない……これをどう愛せと言うのだ!」
「邪道め! 頬を周知で赤らめないとは何事ぞ!!」
「これ程まで祝福を受けておきながら、何故進んで溝沼へ捨てるのだ……!」
―――如何も情緒が欠片も無い脱衣を非難しているご様子。
他
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ