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寄生捕喰者とツインテール
闇の支配者(笑)+ストーカー&ボッチ=末期
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せた様な、穏やかな空気とは無縁の、闇の如く真っ黒な“絶望”。
 今のアルティメギル基地に漂っているオーラは、その言葉が適切に思えるほど、圧倒的に士気を失っていた。

 しかしそれらもまた、ツインテイルズ及びグラトニーの手によって(もたら)された物だと、基地内には広がっている。
 直接対峙したであろうダークグラスパーもいると言うのに、一体何故そうなっているのか。

 ……もしかすると、不用意な混乱や、一層の士気低下を避けるためかも知れない。
 だが例えどちらだろうと、彼等にとっては何の変わり映えも(もたら)さないだろう。

 ただ、敬愛し尊重すべき隊長達が三人も葬られ、自分達よりもはるか上に位置する実力者が、未だ世界に鎮座している―――その事に変わりはない。
 ツインテイルズであろうが、グラトニーだろうが、そして単純感情種であろうとも、実力差を覆しようがないのだから。


 一応作戦会議……と言う名のテイルレッド観賞会を(もよお)す会議室には、ある種痛々しい沈黙に包まれる。
 
「いいから読んでみよ! 一行でも目に映したその瞬間、貴殿の心の中に楽園(エデン)が広がろうぞ!!」

 数少ない戦気に燃える者と言えば、修業中のスワンギルディや一部のエリート各な猛者共、そして今しがた詩集を配ろうとしているフクロウ型の怪人のみ。
 ……場違いなぐらいやる気(たぎ)る声が、何とも空しく響いていた。

「済まないがオウルギルディどの。我の楽園は耳たぶにこそあるのだ」

 相変わらず、大分お馬鹿な返しで非常に分かり辛いのだが、話にがたの怪人の声には余り覇気がこもっていない。
 自分の性癖をただ吐露しただけの様だ。
 ……こうして書くと気落ちしている彼が、単なるピンポイント&ニッチな変態さんだと説明している様に思えてしまう―――いや実際そうなのだが。

「ぬうう……これさえ、このポエムさえ読めば……! 打倒ツインテイルズ、グラトニー討伐への鋭気を養えるというのに……!!」

 ヤル気ある物とやる気失せた者の温度差が激しい所為で、目を通す事はおろか話を耳に入れてすら貰えない。
 フクロウ怪人・オウルギルディは、“嘴”で“歯ぎしり”すると言う、何とも奇妙で器用な行いで屈辱を現した。

 失った戦意を取り戻している事はアルティメギルにとっては喜ばしいことであろう……けれどもたった一人で、しかも空回りしていては意味がない。

 そうこうしている内にスクリーンが用意され、モニター内にテイルレッドが大写しになった。

「「「おぉぉおおぉぉ……!!」」

 少年のような純真さ溢れる、感嘆の声がそこかしこで上がる。
 ……声は酷く野太いが。

「やはり美しい……」
「女神か……やはり女神なのか!
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