第5話、夜の臨時会議
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ら卿等ならどうする」
「暗殺します」
シュトライト准将がさも当然とばかりに答えた。まあ、暗殺しかないから仕方ないという考えの可能性もある。
「・・・いいだろう。標的の名はイゼルローン要塞駐留艦隊に居るオーベルシュタイン大佐だ。卿とフェルナー大佐に任せよう」
口に出した瞬間、俺は早期の強敵の排除を確信した。さらばオーベルシュタイン。内心で自分の命が第一と唱えながら俺は暗殺の許可を出した。
「お待ち下さい。そのような情報を一体どこから手に入れたのですか」
アンスバッハが情報の確度について訪ねてきた。が、もちろん原作知識などと答えられない。適当にブラウンシュヴァイク家当主直属の諜報機関でもねつ造するか。
「当主だけに知らされる情報だ。非常に確度が高く信じて良い」
「オーベルシュタインとかいう大佐はローエングラム伯とどの程度の関係にあるのでしょうか?」
「まだ知り合いといったところだろう」
「そのような男のために暗殺部隊を送るのですか? あまりに費用対効果が低いと思います。それよりも味方に引き込んではいかがでしょうか?」
オーベルシュタインを味方に・・・その発想は全く思いつかなかった。思わず笑ってしまったがすぐに厳しい顔になる。
「彼はカリスマ性こそないがローエングラム伯に匹敵する危険人物だ。最優先で排除する。これは決定事項だ」
俺は語気を強めて有無を言わさないと宣言した。アンスバッハはなおも何か言いたそうだったが、声になる前に飲み込んでしまった。
「承知しました。特に大きな障害はありません。作戦の指揮はシュトライト准将に任すべきでしょう」
「分かっておる。シュトライト准将、作戦案を検討してくれ」
ふー、改めて言おう、さらば、オーベルシュタインと。
「仰せに従います。まずイゼルローン要塞司令官と駐留艦隊艦隊司令官への根回しは必要でしょう」
と、シュトライト。
そういえばイゼルローンには悲劇の指揮官が二人居たな。こいつらには未来のブラウンシュヴァイク艦隊か貴族軍の一翼を担って貰いたい。
ちょっとプラン変更だ。多少の行き当たりばったりは仕方ない。
要塞に機動力を与える突拍子な案を検討したおかけで、他の普通の案が切り出しやすくなった。
ブラウンシュヴァイク本領で開いている定期的な艦観式と軍事演習を利用して、一門以外の貴族軍との緩やかな連携と練度強化を図り、さらに頼りになる味方の識別に利用する案などを側近達に相談していく。
まあ、相談と言っても基本的に丸投げして側近達の奮闘に期待するだけだが・・・
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