マーダラーサーチ
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新暦67年9月20日、22時20分
夜も更けた時刻に、秘匿回線を通じてジャンゴ達の下へマキナ達から連絡が届いた。二人の無事を知って安堵するジャンゴ達だったが、二人からもたらされた『世界浄化虫』ならぬ『世界解放虫』と『新型メタルギア・サヘラントロプス』、『貫通弾』などの情報はあまりに衝撃的なものだった。一方で『絶対兵士プログラム』のせいで結果的にフェイト達になのはの生存を知られた件に関しては、「自分も敵の大将に姿を見られたんだからお相子」と力無さげに笑いながらマキナがそう話をつけた。
管理局と聖王教会の裏、銀河意思ダークとヴァランシアの目的、それら全てを利用するスカルフェイス。彼が行っている計画はある意味では永遠に続く戦いを終わらせる打開策とも言えた。しかしその代償は全ての魔導師が生け贄となる事で、それは即ち多くの命の消失、及び管理局の崩壊を意味していた。
また、実際に魔導師が駆逐された場合、ヴァランシアの手で高町なのはがアンデッドにされる事は想像に難くなく、クイーン・オブ・イモータルのみ魔導師の力を使えるというとんでもない状況に陥ってしまう。アンデッドになれば人格は暗黒物質に塗り潰される、つまり完全なるイモータルへ成ってしまえば説得は最早通じない。新たなクイーンとして、新たな暗黒仔として、銀河意思の手駒と成り果てる。以前、高町士郎が自我を取り戻したのは、サバタの月光仔の血を取り込んだなどの要因が重なったからであって、あくまで偶然の産物に過ぎない。
そもそも魔導師を消し、メタルギアを各世界に置いた所で、世界が平和になるとは限らない。魔法が関わらないだけで、小競り合いや紛争が生じる可能性は存在している。核抑止論はあくまで机上の空論、確実なものではない。魔導師や管理局が消えた所で、人類が戦いを止める訳ではないのだ。
『大体さ、もしスカルフェイスの計画が全て上手くいったとして、本当に銀河意思の介入が止まるとはいくら何でも信じられない。どうせ契約のすき間を突いてくるに決まってるよ』
「例えば、クイーンになったなのはを使うとか?」
『かなり微妙な立ち位置だけど、十分あり得るな。ヴァランシアには手を引かせておいて、なのはを精神的にもクイーンに相応しくさせるために次元世界の人類を吸血変異させるよう命令するかもしれないな』
「例えアンデッド化しても私は絶対にそんな事はしない! ……と言いたい所だけど、流石の私でも多分無理だろうね。2年前のP・T事件で吸血変異を身をもって経験してる訳だし……」
「実際に暗黒物質を取り込んだ事が無い俺には吸血変異する時の感覚がわからないが、一体どんな気分なんだ?」
「私の場合は凄まじい悪寒と動悸が生じて、意識が朦朧となったかな。変異が進むごとに身体も痙攣して言う事を聞かなくなって……そう
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