機動戦艦ナデシコ
1381話
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ろうが。
そんな風に考えている間にみなづきとの連絡は完了したのだろう。
ナタルが周囲の警戒をしながら指示を出していく。
転移する際に周囲の安全を確保するってのは、非常に大事だ。
そもそも、システムXNの場合は転移フィールドを生成する際にかなり無防備になる。
いや、その状況でも攻撃出来ない事はないんだろうが……
転移フィールドが光の繭である以上、こちらの行動を阻害するというのは間違いのない事実だ。
それ故に、転移フィールドを生成する際には周囲の状況を確認する必要があった。
「よし、周囲に敵影は存在しないな? では、改めてみなづきに連絡。これよりシステムXNを展開して木星へと転移を開始する」
「了解。みなづきに通信を送るわ」
美砂の声が周囲に響き、映像モニタにみなづきのブリッジが映し出される。
当然そこにいるのは、木連の中でも実質的な指導者という立場の草壁だ。
「草壁中将、これよりシステムXNを使用して木星へと転移をしたいのですが、構いませんか?」
『頼みます』
木星から火星に転移する時にも経験したからか……それとも、転移は木連にとっても重要な技術だと理解している為か。
ともあれ、草壁はナタルの言葉に特に緊張した様子も見せず頷きを返す。
……ちなみに、昨夜は地球組とも短時間ではあるが会話をしたらしい。
やるべき事があまりなかったとは言っても、こっちとしては予想外の事だった。
いや、勿論最初からそれを狙ってはいたんだけど。
それでもここまで上手くいくとは思ってなかった。
……まぁ、地球と木連の間にあった蟠りが一朝一夕でなくなるとは思わない。
けど、今回の件が和平への第一歩となってくれればいいんだがな。
そうして転移フィールドが消えると……既に俺達の姿は木星の近く、木連の首都とも言えるれいげつが遠くに見える場所へと転移が完了していた。
「周囲の状況は?」
「敵影なし、木連の攻撃も確認されていないわ」
ナタルの声に円が素早く答えるが、この状況で攻撃されたりしたら、色々と面白い事になっていたよな。
草壁を木連が追放したとか、そんな流れになっていたら……第3勢力を築き上げる事が出来たかもしれない。
まぁ、草壁の側近と言えるのは白鳥、月臣、秋山、高杉の4人以外にも当然いて、そいつは今回俺達が火星に行っている間にも当然木連に残って行動してたんだろうし。
『アクセル代表、今回の件は色々と……そう、本当に色々と為になる時間でした』
映像モニタに映し出された草壁が、俺の方へとそう言いながら頭を下げてくる。
どうやら草壁も今回の一件で色々と思うところがあったらしい。
出来ればこのまま地球との和平に向かって進んで欲しいところだが、それは難しいだろ
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