第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#1
悪霊に取り憑かれた男と炎髪灼眼の少女
[9/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を加えるからだ!!」
「!?」
意外な返答に、シャナはその紅い瞳を丸くする。
てっきり傍若無人な人間の 「不良」 が、
想定外の能力が突然「発現」した事に混乱し、
己の殻に閉じこもって駄々を捏ねているだけだと想っていたのだ。
「同じような能力を……持ってるって事で……多少は……親しみが……
湧く……が…… コレ以上……続けると……テメー……死ぬ……ぞ……ッ!
コイツは……この……悪霊は……“オレの身に危機が迫った時”……
このオレの意志に叛して……『暴走』するッッ!!」
そう叫んだ刹那、承太郎はせめてその被害を最小限に押し留めようと身を翻し、
後ろ廻し蹴りの要領で背後にある剥き出しの水道パイプを破壊した。
目の前の、出逢ってからまだ数分足らずの少女の身を想い遣っての事ではあるが、
悪霊の「脅威」の方に意識がいっていた為彼はその事実に気がつかない。
バジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!
勢いよく吹き出す大量のカルキに塗れた水によって、
承太郎を縛り付けていた炎の荒縄は官能的な音を伴いながら
白い湯気となって立ち消え、本体が自由となった『スタンド』は俄然勢いを取り戻す。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!
テメェ――――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!
もうどうなってもオレは知らんぞ!!!!!!!!!!!」
承太郎の悪霊は、否、『幽波紋』は、
「本体」 である彼の意志を無視して頑強な素材と造りの鉄格子を
まるで溶けた飴細工でも捻じ切るかのように容易く左右に押し広げ、
そして引き千切る。
己が護るべき主を、傷つけた者を断罪する為に。
そして、そのどんな刃物よりも鋭利な手刀で
檻から引き抜いた一本の鉄芯を真っ二つに斬り裂き、
強力な殺傷能力宿す凶器と化した鉄格子を両手に持って構える。
その炎と水が生み出した白い靄の立ち込める空間の中で、
承太郎のスタンドと、大太刀を持ったシャナが再び対峙した。
【4】
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
承太郎のスタンドの全身から放たれる、
封印から放たれた魔獣のように狂暴な威圧感と、
シャナの全身から静かに立ち昇る、
天使のように神聖な煌めきを宿した炎の燐光。
その鬩ぎ合いに、空間が歪むかのような重苦しい空気が場を錯綜する。
対峙する空間で、承太郎のライトグリーンの瞳とシャナの真紅の双眸が交差した。
「オッッッッッッラアアアアアァァァァ―――――ッッッッッッ!!!!!!」
荒々しいスタ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ