暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#1
悪霊に取り憑かれた男と炎髪灼眼の少女
[3/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
機のラジコン等、マヌケなものもいくつかあったが。
「お……恐ろしい……またいつのまにか物が増えている……!
こんな事が外部に知れたら、私は即免職になってしまう……!」
 兇悪な犯罪者を見慣れている筈の中年看守が、その恐怖心を隠す事もなく呻いた。
「大丈夫……孫はわしが連れて帰る」
 ジョセフは穏やかに、しかし各個とした意志を込めて看守に告げる。
「孫……?」
 簡易ベッドの上で煙草を燻らせていた美貌の青年が、その一言に反応する。
 脇には「ESPの全て」「神秘と魔法」「死者の書」「真紅(あか)い世界」等
オカルトじみたタイトルの書物が山積みになっていた。
 それらについた付箋と折り目から、投獄中に内容は全て読破しているようだ。
「承太郎! お爺ちゃんよ! お爺ちゃんはきっとあなたの力になってくれるわ!
お願いだからお爺ちゃんといっしょに出てきて!」
 鉄扉の脇で彼の母親であるホリィが叫ぶ。
 承太郎は祖父の顔を一瞥すると、銜えていた煙草を吹きだした。
 赤い飛沫が冷たいコンクリートの床で弾ける。
 ジョセフは無言で、孫である承太郎のいる牢屋に近づいた。
 承太郎もそれに合わせるようにベッドから身を起こす。
 ガッッッッッッシャアアアアアアアァァァァァァァ−−−−−−−−−−−−−−ッッッッッッ!!!!!!
 最後のゲートが、暴力的な音を立てて開いた。
 承太郎、ジョセフ、両者共に言葉は一言も交わさなかった。
 が、空気どころか空間まで震えるようなプレッシャーを伴う、二人の邂逅だった。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!




「出ろッ! ワシと帰るぞ!」
「消えな……」
 牢屋を挟んで、十年ぶりの再会を果たした祖父と孫。
 その、最初の一言。
 ジョセフの言葉が終わる前に承太郎はそう吐き捨てた。
「およびじゃあないぜ……オレの力になるだと……? 
一体何が出来るっていうんだ……?
わざわざニューヨークくんだりから来てくれて悪いが……
アンタはオレの力になれない……」
 そう言って承太郎は挑発的にジョセフを指差す。
「……」
 その彼の指の隙間に、何か光るものが握られていた。
「はッ!」
 ジョセフは咄嗟に自分の左手に視線を向ける。
 頑丈な鉄製の義手、その小指部分がいつのまにか欠損していた。
 凄まじい力で捻じ切られたというよりは、
余りに速いスピードで抜き取られたかのような、
眼前のその事実にジョセフは戸惑いを隠せなかった。
 老いたとはいえ、かつて生物進化の究極にまで到達した太古の最強種、
『柱の男』 と戦い抜いた戦闘者である自分が、
「気配」すら感じ取る事が出
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ