第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#1
悪霊に取り憑かれた男と炎髪灼眼の少女
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「?」
承太郎は訝しげに祖父の手からそれを受け取り視線を落とす。
一枚目……大海原に浮かぶモータークルーザー。
二枚目……フジツボにびっしり覆われた、金属製の大型の箱。
三枚目……開かれた箱、内部は二重底になっている。
四枚目……箱の側面に刻まれた、『DIO』という刻印。
「なんの写真だ?」
一通り目を通した承太郎がジョセフに問う。
「今から4年前、その鉄の箱がアフリカ沖大西洋から引き上げられた。
箱はワシが回収してある……ブ厚い鉄の箱は棺桶だ。ちょうど100年前のな……
棺桶はお前の5代前の祖父……つまりこのワシの祖父、
『ジョナサン・ジョースター』 が死亡した客船につんであったモノ、
ということまでは調べがついている。中身は発見された時カラっぽだった。
だが! ワシには! “中に何が入っていたのか” 解るッ!」
穏やかな口調で承太郎に写真の詳細を説明していたジョセフだったが、
最後の最後で感極まったのか激しい口調でそう叫び、
再び強い意志で満ちた眼光を承太郎へと向ける。
「ワシとシャナ達は “そいつ” の行方を追っている!」
ジョセフの瞳に宿る気高き光。
それは、その誇り高きジョースターの血統の者のみが持つ事を赦される
『黄金の精神』の輝きだった。
「 “そいつ” ? ちょい待ちな……そいつとはまるで「人間」のような言い方だが、
百年以上海底にあった箱の「中身」を、 “そいつ” と呼ぶとは一体どういうことだ?」
承太郎の自然な問いに、ジョセフは確信を込めて言い放つ。
「そいつは 【邪悪の化身!】 名前は 『DIOッッ!!』
そいつは百年の眠りから目醒めた男!
「我々」はッ! その男と闘わねばならない『宿命』にあるッッ!!」
(――ッッ!!)
『DIO』
呪われた 【石仮面】 が生み出した、狂気と戦慄の悪魔。
承太郎、ジョセフ、ホリィ、そしてシャナの背後に浮かび上がる、
この世の何よりも冥き邪悪を司る一人の男。
ジョースター家にまつわる百年の因縁。
このとき、彼は、空条 承太郎は、
まだ己の置かれた 『運命』 を認識していなかった。
そして。
己の傍らに佇む、少女の紅い瞳が招き寄せる幾千の “因果” も。
しかし、その日、そのとき。
彼の「日常」は、終わりを告げた。
或いは、跡形もなく燃え上がった。
静かに、音もなく。
時は流れる。
運命の車輪は、回転を続ける。
世界は変わらず、ただそうであるように、動いている。
←To Be Continued…
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