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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#1
悪霊に取り憑かれた男と炎髪灼眼の少女
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硝煙。
「オレを此処から出すンじゃあねぇ……死にたくねぇんならな……」
 最愛の息子はソレだけ告げ、再び闇の中に戻っていった。
 かける言葉は、みつからなかった。
 顔を覆いさめざめと泣く娘の肩を優しく抱きながら、初老の父親は娘に問う。
「他の人には見えないのに、 『お前には視えた』 のかい?」
「えぇ……」
 ようやく目元の涙を拭って愛娘は答える。
「承太郎は最近 “取り憑かれた” といってるらしいが、
おまえにも何か「異常」はあるのかい?」 
 優しい声でそう問いかける父にホリィは。
「私にはないわ。でも、承太郎は原因がわかるまで2度と牢屋から出ないっていうのよ!
パパ……ど……どうすればいいの?」
 睡眠不足が祟ってか、ホリィの顔色は悪い。
「よしよし、可愛い我が子よ。
この “ジョセフ・ジョースター” が来たからには安心しろッ!」
 ジョセフと名乗った男性は、そう言って力強く娘の肩を抱く。
「まずは、早く会いたい……」
 ジョセフは貧血気味で頼りない足取りの娘の身体をしっかりと支え、
共にエントランスに向けて歩き出した。
「我が「孫」の承太郎に」
 そう孫の名を口にしてジョセフは、
腕の中の娘に注意を払いながらも背後へと視線を送る。
 目当ての人物は、備え付けのソファーに足を組んで腰掛け、
湯気の立つ紙コップを口元に運んでいた。
 近寄れば、噎せ返る程甘い匂いがするに違いない。
 マントのような黒寂びたコート。
 そのフードをすっぽりと被っているため今表情は伺えない、
が、カップが口元に運ばれたその時だけは、
きっと妖精のような笑みを浮かべているのだろう。
 ジョセフはその黒コートの人物に向けて左手を差し出した。
 白い手袋で覆われた鋼鉄の腕。
 数十年前、第二次世界大戦の渦中、 
かけがえのない者達と共にこの世界の「命運」を
賭けた戦いへ身を投じた時の「証」
 名誉の、負傷。
 パチンッ!
 弾かれた指が義手とは想えぬ澄んだ音を立てた。
 それを合図と受け取った黒コートは空になった紙コップを背後に投げ捨て
(ちなみにそれは30メートル先のダストボックスに見事着弾した)
娘と寄り添いながら歩くジョセフの後を付いていく。
 音も無く、影も無く、衣擦れの音すらしなかった。




【2】

 ゴギギイイイイィィィィ……………………
 鉄製の錆びた扉が重苦しい音を立てて開かれる。
 承太郎の居る牢屋の中は、一昨日とはまた別の部屋のように様変わりしていた。
 オーディオ、DVDデッキ、エアロバイク、ソファー、コーヒーメーカー、
ノートパソコンetcetc、
 およそ人間が快適に生活出来る、ありとあらゆるものが存在していた。
 中にはバイクのメットや飛行
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