暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
外伝〜闇夜の襲撃〜
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ます!」

「くっ………”(イン)”殿がいれば………!」

新たに入って来た構成員の報告を聞いたラウは唇をかみしめていたが

「………フフ、やれやれ。どうやら頭脳派を気取っている訳にも行かないようですね。」

ツァオは眼鏡をかけ直して余裕の笑みを浮かべて呟いた。

「ツァオ様、まさか―――」

ツァオの言葉を聞いたラウは驚きの表情でツァオを見つめたその時、ツァオは片腕をコキリと鳴らし

「―――出ますよ、ラウ。この程度で”銀”殿に頼っては”黒月”の名折れ………東方人街を支配する我らの力、存分に見せつけてやりましょう。」

不敵な笑みを浮かべてラウを見つめた後、行動を開始した。



〜同時刻・ラギール商会〜



”黒月貿易公司”が襲撃を受けていたその頃、ラギール商会の店舗も襲撃を受けていた。

「………まさか今の状況で直接攻めて来るなんて………予想外です……”競売会”の件でしばらくは動けないと思っていたのに……………」

襲撃によって時折揺れている部屋の中、部下の”闇夜の眷属”から襲撃の報告を聞いたチキは驚きの表情で考え込み

「私の力は必要かしら、チキ。いつも泊めてもらっているお礼に私も手伝うわよ?」

同じ部屋の中にいるカーリアンは好戦的な笑みを浮かべて尋ね

「カーリアン様に力を貸して頂くほど、私達は弱くありませんよ………ご主人様から貸して頂いたメンフィル兵の方達もいるのですから………」

尋ねられたチキは苦笑しながら答えた。

「あ〜、そういえばそうね。それにしても何でリウイはメンフィル兵達を”闇夜の眷属”の”店員”として貴女の指揮下に置いて働かせているのかしら?」

「………クロスベルの裏社会を”私達”―――”ラギール商会”が掌握する事によって、マフィア達による犯罪を無くそうとしているとお聞きしました………」

「……なるほど。”ルバーチェ”と”黒月”………両方ともそれぞれの国派の議員によって、犯罪を起こしても表沙汰にされないものね。もしかしてイリーナ様がリウイに何か言ったのかしら?」

チキの話を聞いたカーリアンは考え込んだ後尋ね

「はい………”今の故郷”や”家族”に自分ができるのはそれぐらいしかないとおっしゃって、ご主人様に頼んで私に来た話なのです………私としても………オーブメント技術品をはじめとした……さまざまな異世界の商品を手に入れられる絶好の機会の上………兵まで貸して頂けるというとてもありがたいお話でしたし………何より………ご主人様の頼みを私が断るなんて………ありえません………」

「フフ、確かにそうね。……それにしても貴女といい、あのエリザベッタって娘といい、”ラギール商会”の連中はみんな、貴女達みたいに強いのかしら?」

チキ
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