第79話
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たロイドとエリィは安堵の溜息を吐いた。
「ただ、結局キーアについては振り出しに戻っちまったんだがな。」
「ま、いいんじゃないッスか?身寄りが見つかるまで俺達が面倒見りゃいいんだし。」
「ああ、当分の間はここで保護した方がいいだろう。ただ、本当に身寄りが無かった場合………里親を探すなり、教会の福音施設に預ける事も考えるべきかもしれない。」
「そ、それは………」
「………で、でも………」
「いずれそういう事も含めて考える必要があるってことだ。子供一人を預かって育てるってのはハンパな覚悟で出来る事じゃねぇ。どれだけその子が可愛くったってな。」
イアンの話を聞いて迷っているロイドとエリィにセルゲイは真剣な表情で言った。
「そう、ですね………」
「確かに、猫の子を預かるのと同じわけにはいかねぇし、大人であるエルファティシアちゃんとは訳が全然違うしな………」
「はは、すまない。厳しい事を言ってしまったな。そういえば、任務から戻ってきたばかりみたいだな。報告もあるだろうし、私はそろそろ失礼させてもらうよ。」
「いえ、そんな。実は先生にも相談しようかと思っていた案件だったんですが………」
「ほう、私に?」
「ええ、実は―――」
ロイド達はセルゲイとイアンに失踪していた鉱員の一件を説明した。
「なるほど………そんな事がありやがったのか。クク、いかにも支援課らしい仕事じゃねえか?」
「結局、事件ではなかったので本人の説得はしませんでしたが……町に帰るよう説得くらいした方が良かったんでしょうか?」
「ふむ、難しいところだな。遊撃士だったら、説得や交渉も仕事のうちに入るんだろうが………」
「警察の人間がそれをやった場合、民事介入になる可能性もある………なかなか難しい線引きの所だな。」
「やはりそうですか………」
「ま、いい歳した大人なんだし、余計なお世話ってモンだろ。これでガキだったらケツでも叩いて家に連れ戻してやるところだが。」
「ふふ、そうね。
セルゲイとイアンの意見を聞いたロイドとランディは納得した様子で頷き、エリィはランディの言葉に微笑んでいた。
「しかし天才的なギャンブルの腕と別人のようなツキとカンか…………………………」
一方イアンは黙って考え込み始め
「………先生?何か心当たりでも?」
イアンの様子に気付いたセルゲイは尋ねた。
「いや、偶然かもしれんが………ここ最近、似たような話を2つばかり聞いた事があってね。」
「本当ですか?」
「まさか他にも、ギャンブルで一山当てたヤツがいるとか!?」
「いやいや、そうじゃないよ。聞いた話というのは、とある証券会社の証券マンと貿易会社の経営者な
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