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偶像
3部分:第三章
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第三章

 そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「すぐに行こう」
「シナイ山に。皆で」
「そこに答えがあるのなら行くべきだ」
 アロンの答えは出ていた。弟を通じて神の考えを聞き。
「そうしよう」
「では。同胞達を導こう」
「シナイ山まで行けば何とかなるのならな」
 こう話してだ。モーゼとアロンは。
 同胞達に顔を向けてだ。こう告げたのだった。
「では今からシナイ山に行こう」
「そうしよう」
「山に登るのか?」
「あのシナイ山に」
「そうだ、登るのだ」
「神はそこにおられるとのことだ」
 二人でだ。しゃがみ込み嘆いている同胞に告げたのである。
「だからもう一しぼり、力を出してだ」
「あの山に向かおうではないか」
「そこに神がおられるのなら」
「それなら」
 同胞達もだ。その山に神がいるのならだった。
 二人の言葉に頷いた。そうしてだった。
 モーゼとアロンは同胞達、ヘブライの民達を立ち上がらせた。そうしてだ。
 シナイ山に向かう。そして山に入った。 
 山は険しい。足元は岩ばかりでしかも高い。その山を登りながらだ。
 まただ。ヘブライの者達は言うのだった。
「この山に登れというのか」
「神はここでお姿を見せて下さるのか?」
「だといいのだが」
「何故この山に登る」
 こう言いながらだ。山を登る。その彼等にだ。
 アロンがだ。こう言うのだった。
「もう少しだ」
「もう少し?」
「もう少しだというのか?」
「そうだ。この山の頂上に行けばだ」
 どうなのかとだ。モーゼに代わって言うのだった。彼等の先頭に立ち導く彼の代わりに。
「それでわかる」
「だといいのだが」
「本当にもう少しでわかるのなら」
「それならだ」
「いいのだが」
 ヘブライの者達はあまり信じられなくなっていた。どうしてもだ。
 それで苦しんでいたがだ。それでもだった。
 アロンに言われ頂上に向かう。そしてだった。
 その頂上に来た。そこに来るとだ。青い空は見えた。だが。
 他には何もなかった。それでだ。ヘブライの者達はまた言うのだった。
「何もいないぞ」
「神はおられない」
「やはり神がおられないのではないのか」
「そうではないのか」
「いや、おられる」
 動揺する彼等にだ。今度はモーゼが告げた。
「神はおられるのだ」
「しかしここに来てもお姿を見せられない」
「それではいるかどうかわからない」
「本当にいないのではないのか?」
「これではそうとしか思えない」
「どうなのだ」
「もう少しだ」
 だが同胞達にだ。モーゼは。
 確かな声で告げた。彼は確信していた。
 そしてその確信と共にだ。そうしてだ。
 彼は待った。だがその彼にだ。アロンも言うのだった。
「モーゼ、
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