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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
目覚める『闇』と『光』の事
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一気にこの場を離れようとした。
だが、竜はルークを追って、今度は首だけじゃなく全身を地上に押し上げ、その姿を完全に露にした。その竜は、20m近くもの巨体を誇っていた。

竜の名前は『古代怪竜クラヤミノオロチ』。

奴が全身を地上に押し上げたときの衝撃で、ルークたちはまるで爆風に煽られるように吹っ飛ばされてしまう。
「うああああ!!」「きゃああ!!」
空中に投げ出される三人。だが偶然にも、まだ残っていた亞莎の天幕の上に、三人は落ちた。天幕がクッション代わりとなって三人の地面落下の際の衝撃をやわらげてくれたが、天幕は三人を支えきれず崩れ落ちてしまう。
「い、痛…」
それに衝撃が和らいだといっても、地面に向かって落下したことに変わりない。
「あ、足が…」
「天和!?」
なんてことだ。ただでさえルークに追いつくことさえやっとだというのに、彼女は右足首を怪我してしまっていたのだ。しばらくは立つこともできない。今の状況ですぐに逃げ出すこともできなくなるのは流石に不味すぎた。
そうしている間に、竜はルークたちに狙いを定め、よだれをたらしている。明らかに捕食する気満々だった。その視線を恐れ、天和は思わずルークの足にしがみつく。亞莎は、相手が人間など手に及ばないほどの強大な力を前に何もできずに居た自分が無性に情けなくなった。まるで蛇に睨まれた蛙のような気持ちだ。
「ちくしょう…!!」
二人を見て、そして今の自分の状況を思ってルークは悔しさを滲ませた。
故郷に帰ることもできず、母の隠しているであろう真実にたどり着くこともできず、こんなところで自分は終わってしまうのか?自分の傍に居る、この二人の少女さえも救うこともできず…。
ルークは、たとえ人間を超えるほどの身体能力を持っていても、こんな相手に逃げることさえも許されなくなった自分に腹を立てたくなった。
「どうする…どうすりゃ…」
ふと、ルークは自分が踏んづけていた天幕の布の上から、意志のように固い何かをの感触を覚えた。
なんだ?ルークは自分が踏んでいる天幕のちょうど足元の部分を見ると、確かに何かを踏んづけていたらしく、その箇所だけ天幕越しに盛り上がっていた。その箇所を破ったルークは、その下に隠れていたものを取り出した。
「こ、これは…!?」
「それは、私の部隊が見つけた…!」
ルークが見つけたもの、それは亞莎の部隊が回収した出土品のひとつである、翼のような意匠を持つI字型の神具だった。
すると、ルークに握られたその神具は、彼に握られたまま振動を起こし始めた。
なんだ…これは…?
ルークは自分の額に猛烈な熱を感じた。それが一種の頭痛にもなって、何かが頭の中に流れ込んでいく。

一人の男が、その神具に似たものを掲げ、光に身を包む姿が…脳裏に流れた。

「はあ!?はあ…」

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