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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
目覚める『闇』と『光』の事
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の火ぶたが落とされた。
彼女の部隊と、自分が操る怪物たちの交戦するさまを、ダイダラは遠くから見ていた。
「あの方々やドグラマグマ様の話によると、人間として生きてきた『奴』は正義感を無駄に培ったとか…だとすれば、ここの連中が襲われたときいて黙ってはおるまい」
ニタニタと下衆な笑みを浮かべながら、ダイダラは笑った。
彼は、彼の言う『奴』を引き寄せるために、この事態を引き起こしたのだ。自分の欲と望みを満たす、ただそれだけのために。
奴がここに来たところを、捕まえてあの方々に差し出して、褒美をいただいて見せよう。
そうすれば、私はより高みに上る。ドグラマグマ様よりも、さらに上へ…あのお二方と同じ存在へ…。
「さあ、古の血に飢えた獣共…あの小娘共を殺せ!」
ダイダラは遠視で見通した景色に映る、亞莎たちを見で命じた。
『奴』を、おびき寄せるために。
亞莎たちがダイダラの意思で遺跡より出現した怪鳥たちとの戦闘が始まってから、遺跡に起きた異変はルークたちの元にもすぐに伝わった。
「な、なにあれ…!?」
そのおぞましい光景は、二人にとっても衝撃的なものでしかなかった。
突如山の方から聞こえてくる悲鳴の嵐。崩れ落ちた、すぐ傍の呉の陣。そしてその下で起こっている、怪物たちの目覚めの朝食として食われていく呉の兵たち。血が飛び交い、肉片が飛び散るおぞましい光景。
「う……」
ルークは思わず吐きそうになった。天和もそれを見て顔がかなり青ざめていた。
「なんだ…なんだこの化け物共は!?」
「は、潘璋様!このままでは呂蒙様が!」
「くぅ…」
リーダーの男の名前は、潘璋というようだ。彼は後ろ目でルークたちと一瞥したが、すぐに呂蒙たちのいる呉の陣に向けて視線を直した。
「その者どもは後だ!呂蒙殿をお救いするぞ!」
潘璋の命令に従い、彼と共に呉の兵たちはルークたちを残して駆け出していった。
ルークは、兵たちを襲う怪鳥たちの姿を見る。本来の生物としての臣下の道を誤っているようにしか見えない、おぞましい姿。そして奴らは、げっげっげ…と喜びを感じる不気味な鳴き声を発し続けている。
「間違いない…こいつら、怪獣の一種か…!」
そうとしか思えない。なんとなく、自分の故郷の首都であるトリスタニアを襲ったこの不気味な化け物たちが、怪獣たちとどことなく似ている気がした。
どうもヤバイ状況になってきた。まさか、この世界でも怪獣を見ることになるなんて。
「る、ルーク!早くここから逃げよう!怪物たちがこっちに来てるよ!」
「そうだな、俺たちも…」
と、ここでルークは言葉を途切らせた。
ここで…逃げる?ここにいる連中を?それはつまり…見殺しにするってことじゃないのか?自分には、普通の人間を超えた力があるというのに、このまま逃げる?
そんなこと…
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