暁 〜小説投稿サイト〜
ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
目覚める『闇』と『光』の事
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
色が、きっと聞こえてくる…。
「…!」
そのとき、亞莎は目を見開いた。
亞沙に握られていた神具が、揺れ始めている。亞莎の意思と関係なく、内蔵されたバイブレーションが稼動したかのようにぶるぶると震えだしていた。まるで、何か警告のようなものを必死に訴えているように。
「これは、一体…?」

「ぎゃあああああああああ!!!」

しかし、亞莎の思考は今の悲鳴によって現実に引き戻された。
今の悲鳴は…!?すさまじい叫び声だったからただ事ではない。しかも悲鳴は一人だけでなく、何人分ものそれが聞こえる。何事かと思って天幕の外に出る。
「え…!?」
亞莎が見たその光景は…まさに嗚呼叫喚の地獄絵図の始まりだった。


その発端を起こしたのは…ダイダラだった。
亞莎が天幕に戻ったちょうど同じ頃、ダイダラは亞莎の部隊が調査中の遺跡に入り込んでいた。…というよりも、瞬間的に遺跡の奥へと転移した、というべきだろう。誰一人彼の侵入に気付いていなかったのだから。
「ふふふふ…私にはわかるぞ。この遺跡の中に眠っていた邪悪なる気配をな…」
遺跡の最深部、そこに彼は降り立った。
二階建ての家ほどの高さの天井にも行き届くほどの壁には、何か奇妙な…いや、恐ろしささえも感じる壁画が刻まれていた。
そして、何かを置いていたような台座が部屋の中央に安置されていた。おそらくここから出土品の一部を呉軍は回収したのだ。
(何かしらの封印が施されていたようだな。おそらく呉の者どもが回収しているのだろうが…馬鹿な奴らよ。そのまま放置していれば、この遺跡に仕掛けられた封印が解けることもなかっただろうに…)
ダイダラは台座を見て、亞莎たち呉の調査隊たちを嘲笑った。彼は感じていた。かつてこの地に封じられることとなった…強大な『闇の波動』の根源を。
彼は台座の前に立つと、両手を合掌し奇怪な呪文を唱え始めた。すると、ダイダラの体が妖しい紫色の輝きを放ち始めた。それに呼応して、遺跡全体に地震のごとき猛烈な振動が走り出した。
「さぁ目覚めろ…邪悪なる化身ども…長き眠りから目覚め、我の意思に従い、この者どもを蹂躙しろ!」
彼が両手をかざし、叫んだ瞬間の事だった。
ガシャン!!と音を立てながら、彼の周囲の壁が突き破られ、直径3mほどの穴がいくつか開かれる。その中から、いくつもの人間一人分ほどの大きさの影が何十…いや、何百何千と飛び出してきたのだ。
飛び出してきたその影たちは、血のように赤い瞳を持つおぞましい体つきの怪鳥の群れだった。ダイダラの意思に従い、地上への入り口に向かいだした。

当然、その道中である遺跡内部にて調査中だった呉軍を襲った。
突如遺跡の奥から現れた怪鳥の群れ。奴らは目に付いた兵士に、久方ぶりのご馳走に飛びつくように襲い掛かった。
「う、うわああああああ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ